まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

遠距離介護Diary:札幌訪問2日目②

北海道大学。いつかピリカを連れて行きたい場所です。

札幌訪問2日目②

今日は前回の記事の続きです。

北菓楼カフェで雨宿り

包括センター職員さんとの打ち合わせが終わって、札幌駅付近まで戻ってきた時、ふいに雨が強くなり、傘の骨が折れそうなほど風が吹き始めました。まだ義父宅まではかなり距離がありますし、ちょうど北菓楼カフェの近くだったので、私は北菓楼カフェで雨宿りをすることにしました。

北菓楼カフェのケーキセット。

北菓楼カフェのケーキセットは好きなケーキ1つとシフォンケーキ、ソフトクリーム、飲み物がセットになっています。飲み物だけにするか迷いましたが、お昼はヘルシーだったしよく歩いたから少し食べ過ぎても大丈夫かなと、思い切ってケーキセットを頼みました。ここはピリカを連れてくることはできませんが、天井が高く広い店内はのんびりくつろぐことが出来るので、私は度々利用してきました。

包括センターの職員さんとは義父の了承を待たずに手続きを進めるとこにしたものの、それが義父に知れた時、義父はとても嫌な気分になるのではないか。本人の意思を無視して手続きを進めることは、義父の誇りを傷つけることにはなるまいか・・・、色々な思いが頭を巡り、考えると心が沈みますが、義父の安全を守るためには嫌われても拒絶されても申請だけは先に進めるしかありません。

以前、実母が背骨を圧迫骨折して介護保険の申請をした際には、全治2カ月なのに認定に2か月かかり、全く無駄にはなりませんでしたが一番大変な時に全くサポートが受けられませんでした。実母はまだ私も兄も通える距離にいたから何とかなりましたが、義父の場合はそうはいきません。いざ必要な時に迅速な手配を行うには申請を行って認定を受けておくことは不可欠です。

義父の望みは今の家で一人で暮らしていくこと、私達の願いは行政のサポートを適宜受けながら義父が望む今の生活を安全に維持していくこと。二つはそう遠い物ではありません。諦めずに対話を続ければいつか必ず双方が納得できる状態にたどり着けるはずです。少なくとも私はそう思っています。

そんなことを考えているうちに雨脚が弱まってきたので、私は再び義父の家に向かいました。そして昨日購入しておいた食材で義父の夕飯の支度をしつつ、明日は作り置きの惣菜を作りに来ると言うと、少し沈黙した後に義父が重い口を開きました。

小さな楽しみ

「Marimoちゃんが心配してくれるのはありがたいと思っている。でも、俺には俺なりの生活があるし、必要な時は連絡するからもう放っておいて欲しいんだ。食事はスーパーやコンビニに買いに行っているけれど、毎日何を食べようかと考えながら買いに行くのは結構楽しみでもあるんだよ。だから明日はもう来なくていい。せっかく札幌まで来たんだから、好きな場所に行って楽しんでおいで。」

私は義父の言葉を聞いて、買い物に出る回数は少ないほうが安全で良いと思い込んでいた自分の考えを改めることにしました。外に出れば躓いたり転んだりする危険はあるかもしれません。でも何を食べるか考えて買いに行くことが義父にとって日々の小さな楽しみになっているのであれば、その楽しみを奪うようなことはするべきではないでしょう。

私は義父の意見に従うことにして、今日の夕食の支度を最後に、今回はもう義父宅へは立ち寄らないことにしました。この日の夕食は元から一緒に食べる予定ではなく、私は学生時代の友人と久しぶりに夕飯を食べることになっており、義父もそのことは知っています。帰り際に義父は、「ありがとう。今夜はお友達と美味しいもの食べて、明日はゆっくり楽しんで帰るといい。」と言って見送ってくれました。

友人とご飯

義父宅を出た私は一度ホテルに戻ってから、札幌在住の友人との待ち合わせ場所に行きました。彼女はオーストラリアで学生をしていた頃に知り合い、私が札幌に来た時には夫も一緒に食事をしたりしています。前回の札幌訪問では会わなかったので、彼女に会うのも約3年ぶりです。

左:ヒラメのカルパッチョ。右:北海道産モッァレラチーズのカプレーゼ。

友人とご飯。たくさん話せて楽しかったです。

彼女は大通りの近くにあるイタリアンレストランを予約しておいてくれました。そして約3年ぶりの再会を喜びつつ、美味しくご飯を頂きました。義父の為に今後は通うことが多くなりそうな札幌ですが、こうして友人がいてくれることで楽しみが増え、気分転換にもなります。平日にもかかわらず食事に付き合ってくれる彼女には、感謝しています。

 

次回は3日目、民生委員さんとの面談のお話です。

 

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遠距離介護Diary:札幌訪問2日目①

私のマイ・パワースポット、北海道神宮

札幌訪問2日目①

こんにちは。

今回は前回の記事「札幌訪問1日目」の続き、2日目の話です。

marimotan.hatenablog.com

札幌2日目の朝は6時頃に起きて身支度を済ませると、私のマイ・パワースポット北海道神宮がある円山公園に出かけました。神社の参拝は別に何時に行っても良いと思いますが、私は基本的に早朝派です。

朝の北海道神宮は人も少なく空気も澄んでいました。そして本殿に着くと、私は深呼吸をして気分を整え、家族の健康とそれぞれの幸せを一身に祈りました。

早朝の境内は清々しい空気に包まれ、気分がリフレッシュされました。

以前にパワースポットの記事でも紹介しましたが、北海道神宮は私にとって絶対的なパワースポットです。

marimotan.hatenablog.com

上手く言えませんが、何か強く願うことがある時、その実現のために行動を起こすべき時、ここにきて気持ちを落ち着かせて祈っていると腹が座ってくるというか、気力が湧いてきます。そして意を決して歩き始めれば、ほとんどの場合それが実現するか、その通りにならなくても最終的にはある程度納得のいく結果が付いてくる気がします。

そんな私の必勝スポットに参拝を済ませると、公園内を少し散歩してから近くにあるスターバックスで朝食を摂りました。軽めの朝食を摂りながら2日目のスケジュールを確認し、義父に介護認定の話をするときに、どうすれば私達の思いが通じるのかを考えましたが、良い案が浮んできません。義父は小手先の方便が通じるような人ではありませんし、適当に丸め込むことが出来る人ではないのです。

北海道神宮がある円山公園もピリカを連れてきたい場所。朝からたくさんのワンちゃんがお散歩していました。

朝食を済ませて円山公園に戻ると、お散歩中のワンちゃんがたくさんいました。今頃トレーニング教室でお留守番しているピリカの為にも、成果なしでは帰れないと思い考えを巡らせますが、考えても考えても一向に良い考えが浮かびません。結局、私の浅知恵なと通用しない相手ならば、誠心誠意、正面からぶつかるしかないという当たり前の結論があるだけで、後は拒まれても嫌われても私の思いを伝え続けるしかありません。私は今すぐ義父の生活を変えたいのではなく、高齢の義父が自宅で安全に暮らせるよう、本人が望む生活を少しでも長く続けられるよう周囲のサポートを受けて欲しいのです。

再び義父宅へ

円山から一端ホテルに戻って休憩し、再びホテルを出た私は、札幌駅の駅ビルへと向かいました。今日は午前中義父宅に寄って、午後からは包括支援センターで職員さんと打ち合わせの予定が入っています。昨日義父宅を訪問した際、私は義父の衣類が気になりました。ちゃんと洗濯されてはいるのですが、かなり古くヨレた感じがしたのです。

前日にそれとなくチェックしたところ、スーツなどの外出着はともかく、部屋着系はかなり傷んでいるものが多いように見えました。嫁の買った服なんて嫌がられるかもとは思ったのですが、駅ビルで部屋着類を適当に見繕い、上下3セットほど購入して義父宅に向かいました。

迎えてくれた義父は、昨日作った晩酌のつまみのお礼を言い、買っていった服も「ありがとう。」と素直に受け取ってくれました。以前は札幌駅辺りまで歩いて服も買っていたようですが、ここ数年はもう近所しか歩かないので服も買っていなかったそうです。

機嫌が良さそうな義父に再び介護保険の話をするのは躊躇われましたが、私はそのために札幌まで来たのだからと、意を決して再び義父に公的機関のサポートを受けて欲しいということを話しました。義父はいつも通り私の話を最後まで聞き、そして再び、今はまだ介護保険を受ける気はないと言ったものの、前日に包括センター職員さんが置いていった介護保険のパンフレットに目を通すことを約束してくれました。

包括センター近くのカフェでランチ

そうこうしているうちにお昼の時間が近づき、私は義父の昼食を用意して、自分は包括センターに向かうべく義父宅を後にしました。義父は私が何処に行くのかは聞きませんでしたが、内心では全て解っていたように思います。

この日の札幌はちょっと天気が悪かったものの、猛暑の東京よりもかなり過ごしやすく、私は義父宅から包括支援センターまで歩いていくことにしました。

包括支援センターは大通りを過ぎて市電沿いに歩いて行った先にあります。その道中にあるペット室内OKのカフェで、昼食をとることにしました。

お昼は大通公園近くのカフェへ。サラダが美味しかったです。

義父の様子を見るに、今後私が札幌に来る回数は増えるでしょうし、場合によってはピリカも連れてきて長期滞在になる可能性もあります。そんな時にピリカと一緒に出掛けられる場所の下見をしておくのも今回の札幌訪問の目的の一つ。このカフェは内装も素敵で居心地がよく、野菜中心のメニューもどれも美味しそうな物ばかりでした。

そして昼食が済んだら包括支援センターへ。時間通りにセンターに着くと、担当職員さんは既に入り口で私の到着を待っていました。

職員さんの話では彼女から見た義父は介護保険の「要支援2」と「要介護1」の間ぐらい。診察する医師によって要介護か要支援かが分かれるところなのではと言うことでした。そして初対面の職員さんから見ても義父に軽度の認知症があるのは明らかで、これ以上進行させない為にも一日も早い行政の支援が必要だと言います。

しかし義父が介護認定を受けることを了承するとは思えません。家族の申請も可能ですが、本人の申請にしても家族の申請にしても医師の診断は必須になります。義父は医者嫌いでもう何年も病院にも行っていません。更に厄介なことに義父は健康上の問題を感じておらず、健康診断すら拒否しているのです。

また詳しい申請方法などは札幌市の介護保険について詳述する記事を書こうと思っていますが、そんな頑固に拒否する高齢者に対し、認知症の専門医に自宅まで来てもらって家族が介護保険の申請をする方法もあります。

私は職員さんと相談の上、義父の了承を待たずに高齢者の健康診断を装って認知症専門医に自宅まで来てもらう方法を選びました。取りあえず申請だけでも行っておいて、義父がヘルパー派遣を拒んだならば派遣を止めればよいですが、申請を行わないままにしておくと、必要になった時に手続きに時間が掛かってしまいます。

そしてこの認知症専門医の訪問には私は立ち会うことはありませんが、職員さんには「介護保険を受ける」という言葉は絶対に使わず、「市が行っている高齢者向けのサービスを利用する」と言うこと、専門医の訪問の際にも「市が高齢者を対象に行っている健康診断で高齢者宅を回っている」としてもらうことにしました。本来ならば義父に納得してもらって本人に申請をして欲しかったのですが、もうタイムリミットは過ぎてしまっています。

 

長くなりそうなので次回に続きます。

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まりも物語:まりも 26回目の月命日

2020年3月中旬。ストレッチ運動をする私の前に座るマリモ。

まりも 26回目の月命日

こんにちは。

今日の横浜は時々雨がぱらつくお天気で、朝はピリカのお散歩に行かれましたが、夕方はちょっと難しそうです。

3連休は夫も千葉から帰っていたので大ハッスルだったピリカですが、今日は普段通りに戻って大人しくしています。きっと夕方のお散歩に行かれなかったら夜は大暴れだろうな・・・(-_-;)。

まりもの月命日

今日はマリモの26回目の月命日です。マリモは2年と18日でお空に旅立ちましたが、今月、ピリカの月齢は完全にマリモを追い抜きました。この元気ぴんぴんな暴れん坊将軍ピリカを見ていると、本来ならばこんなに元気であるべき時期にマリモは旅立ってしまったのかと、改めて涙か溢れることがあります。

先日札幌を訪問した際に義父と犬の話をしました。転勤族だった為、犬を飼ったことは無いものの、義父は犬が好きです。まだマリモの腎臓形成不全が発覚する前、マリモが成犬になったらマリモも一緒に札幌に遊びに行くと言っていたいましたが、その約束は果たせませんでした。マリモもピリカも義実家のある北海道に因んだ名前。いつか一緒に札幌で暮らすことを考えながら決めた名前です。マリモやピリカの名前を聞いたとき、義父は笑いながら楽しそうに聞いていました。

今、義父はマリモの名前もピリカの名前も思い出せなくなっています。犬がいることは解っておりますが、「その名前なら忘れることはないね。」と言っていた犬の名前を思い出せなくなっていました。コロナ禍の最中に生まれたピリカもまだ札幌に連れて行ったことはありませんが、これまで義父にはマリモとピリカの写真をたくさん送ってきました。しかし、「そうだ、犬がいるんだよね・・・」という程度で、あまりピンと来ていない様子でした。

義父には絶対に介護認定を受けてもらわなくてはなりません。その為であれば私は何度でも札幌に行くつもりでいます。我が家の暴れん坊ピリカを見守り、千葉に単身赴任中のパパを見守り、既に大忙しのマリモには申し訳ないですが、以前はマリモに会うことを楽しみにしていた、札幌で一人暮らしを続けるお爺ちゃんのこともしっかり見守っていて欲しいです。

元気いっぱい、笑顔いっぱいのピリカ。いつかマリモの分までお爺ちゃんを笑顔にしてあげて欲しいです。

いつかはマリモの分まで

義父の介護認定が終わるまで私はあと数回札幌に行くことになりそうです。郵送で対応できる部分もありますが、義父の生活に関わることですから、多少手間がかかっても現地に赴いてしっかり確認しながら進めていきたいと思っています。コロナの感染再拡大が続いていますし、先は見えませんが、とにかく前に進んでいこうと思います。

そして介護関係の手続きが一段落して、コロナの感染がおさまってきたら、今度こそピリカを札幌に連れて行きたいと思っています。これは私の勝手な推測ですが、ちょっと元気すぎるとはいえ、居るだけでその場が賑やかになるピリカはきっと義父にも良い影響を与えてくれるのではと思うのです。

雪の季節でないかぎり、ピリカは横浜より広々とした札幌の街を喜んで歩くでしょう。散歩は義父の健康にも良いので、義父と夫とピリカとみんなで近所を散歩できたら、義父もきっと楽しいと思うのです。

コロナも義父の介護認定もなかなか一筋縄にはいかず、何時になるか先が見えませんが、ピリカにはいつか札幌に行った時にはマリモの分まで義父に愛嬌を振りまいて、義父を笑顔にしてほしいと思います。

そしてマリモには、勝手な事ばかり言って申し訳ないけれど、ママとパパはとりあえず置いておいて、お転婆ピリカが怪我をしないように、そして札幌のお爺ちゃんも怪我をしたりしないように、どうか見守っていて欲しいです。マリモに会うのを楽しみにしていた義父ですから、ちょっと遠いですがマリモも見守ってくれると信じています。

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遠距離介護Diary:札幌訪問1日目

義実家近くにある旧永山邸

札幌訪問1日目

こんにちは

昨日、札幌の義父宅訪問を終えて帰ってきました。新千歳空港を20:05発の飛行機で帰る予定でしたが飛行機の出発が遅れ、羽田に着いたのは22時過ぎ、家に着いたのは23時過ぎ。

ピリカは今朝の8時にトレーナーさんに送られて帰ってきました。

札幌に出発

前日の夕方からピリカをトレーナーさんに預け、当日は朝5時に家を出発。羽田を7:30発の飛行機に乗って9:00に新千歳空港、10時少し前に義実家のマンションに着きました。早速、入口のインターフォンを押して「お義父さん、Marimoです!」と呼びかけると、義父は「え、Marimoちゃん?」と驚いた様子。私の訪問は事前に夫から義父に説明してあったはずなのに、全く想定外の訪問のような反応でした。

それでも鍵を開けてもらい中に入ると、「Marimoちゃん、どうした?あいつ(夫のこと)具合でも悪いのか?」と怪訝な表情をしています。私が今日は義実家のお掃除や包括支援センターの職員さんのお話を聞くためにやってきたこと、その件については夫から義父に説明していることを話しましたが、全くピンと来ていない様子。そして最後に会った昨年11月より明らかに認知機能が落ちてきているのが見てとれました。

その後、リビングでお茶を飲みながら会話をしても、あまり話かかみ合いません。それに元々饒舌ではない義父ですが、わざと自分からは話さないように、自分の衰えを悟られないように懸命に取り繕っているようにも見えます。いつも静かな義父。本来は頭脳明晰な人ですから自分の衰えを人に知られたくはないのでしょう。

あまり気まずい雰囲気にならないよう、私は適当に会話を切り上げて水回りを中心に掃除を始めました。

包括センター職員さんの訪問

午後になり、包括支援センターの職員さんがやってきました。義父は私の訪問予定も覚えていなかったようなので、昼食時にもう一度、今日は包括支援センターの職員さんが来ると説明しました。

その後、約束の13:30分に職員さんが到着しましたが、部屋にあがってもらってビックリ!義父の様相が突然変わり、急にシャキッと背筋が伸びたのが分かりました。顔つきも引き締まっています。そして丁寧に挨拶し、職員さんにソファーに座るよう促しました。私がお茶を入れる間、職員さんと話している姿もシャキッとしています。コロナで外出の機会が殆どなくなり、急に衰えてきた義父ですが、やはり人と会う時には緊張感が戻ってくるのでしょう。そして職員さんの話を遮ったり苛立つことはありませんが、明らかな拒絶感を表し、介護保険の申請を丁寧に拒否しました。

本人の意思と一人暮らしの限界

ですが、職員さんとの話の途中にも「今日は息子が来るはずなんですが、ちょっと遅くなっているみたいです。」と言いだしたり、やはり衰えは隠せません。私が「今日は○○さん(夫)は来ません。だから私が代わりに来たんですよ。」と言うと「ああ、そうだった、そうだった。」と誤魔化して取り繕おうとしますが、何度も同じ話を繰り返してしまうのです。義父は自分の衰えをはっきりと認識しているのでしょう。とにかくこの場を切り抜けようとしているのが分かりました。

結局、職員さんは懸命に説得してくれたものの、介護保険の申請には至りませんでした。職員さんが帰った後、義父は「心配してくれるのはありがたいが、自分はまだ一人でも大丈夫だから。」と私に繰り返しました。そして「朝早くから飛行機乗って、掃除して疲れているだろう。少し外でお茶でも飲んで休んでおいで。」と千円札を差し出しました。お茶なんて家で飲めばいいのですが、職員さんの前で気を張っていた義父は疲れたのでしょう。一人でゆっくり休めるよう、私は夕食の買い物がてら外出しました。

ナガヤマレスト

義父宅から徒歩数分の所には、重要文化財の旧永山邸があり、一部は「ナガヤマレスト」というカフェになっています。あまり遠くまで行きたくなかった私は、ナガヤマレストでお茶を飲むことにしました。

左:重要文化財の旧永山邸は内部を見学もできます。右:ナガヤマレストの座席

ここはパスタなどの食事メニューもありますが、私がいつも食べるのはフルーツサンド。ここのフルーツサンドのクリームには白餡とわらび餅が入っており、その甘さがフルーツの酸味とマッチしてここでしか味わえない不思議な美味しさを醸し出しています。

左:フルーツサンドと緑茶。右:テラス席はワンちゃんもOK。

このカフェは、テラス席であればワンちゃんもOKです。いつかピリカを連れてきたらテラスでお茶を飲みたいなと思いながら、今日は一人なので室内のカウンター席に腰掛けて、冷たい緑茶とフルーツサンドを頼みました。

予想はしていましたが、やはり義父は職員さんの説得にも私のお願いにも決して首を縦に振ることはありませんでした。予想通りだったとはいえ、東京から来たのに成果が無かったのはやはり残念で、どっと疲れを感じました。

ナガヤマレストの外は公園になっており、ピリカのお散歩にも最適です。

90歳の今日まで一度も弱音を吐かず一人でしっかり暮らしてきた義父。自分が介護保険の認定を受けるなど到底受け入れられないのでしょう。しかし私の目から見ても夫の目から見ても、もう義父が誰の手も借りずに一人暮らしを続けるのは限界に来ています。雪深い札幌の冬が来る前に、何としても介護認定を受けてもらわなくてはなりません。

フルーツサンドを堪能してしばらく休んだ後、夕食の買い物をして義実家に帰ると、リビングにいた義父は「Marimoちゃん、申し訳ないけれどもう今日は一人で休みたいんだ。ホテルに行ってくれないか?」と言いました。

今回の訪問に限らず、最近の帰省の時には私達は義実家には泊まらずにホテルに宿泊しています。義実家は札幌の中心地に近い場所にあり、近くにホテルがたくさんあること、布団の準備やら色々な手間を考えると夜はホテルに泊まった方がお互いに楽だということで、義父からの提案で決めました。

私が一人で義実家にやってきたことの意味

義父は確かに疲れた顔をしていました。なので私は買ってきた食材を冷蔵庫にしまい、毎日必ず晩酌する義父のつまみを3品ほど用意して冷蔵庫に入れるとホテルに向かいました。以前は一人息子の帰省時には一緒に食事をするのを楽しみにしていた義父。私達が来るとなるとホテルでオードブルを注文したり、市場でカニを買ってきたりして、無口ながらも精一杯もてなしてくれました。

しかし今は会話をするだけでも疲れてしまうのでしょう。今の義父にとって私との会話は楽しいものではなく、自身の老いを悟られないよう、必死に切り抜けるものに変わってしまったのです。

元々が冷静沈着で頭脳明晰な人。義父は夫が仕事で来られないというのに私だけでもやってきたことの意味をよく解っています。だから今日のように包括センターの職員さんとの会話で疲れ果てた後では、到底私との会話はできないと思ったに違いありません。

そしてホテルに向かおうと家を出る私に、義父は「ありがとう。これで何か美味しい物を食べて今日は休みなさい。」とお金を渡しました。

夕食はスープカレー
一人の夕食

義父宅を出てホテルにチェックインすると、30分ほど休憩して私は夕食に出かけました。夫と一緒だと絶対に海鮮系の美味しい居酒屋に行くことになるのですが、今日は私一人。私も早朝から動いて疲れていたので、札幌駅のレストラン街にあるスープカレー屋さんで、さっさと夕食を済ませてホテルで休むことにしました。

翌日は午後から包括センターで職員さんと今後の対応を話し合うことになっています。義父が義父らしくあるために、義父の望む生活を少しでも長く続けられるように、私はどうするべきなのか、何が出来るのか、色々と考えながらホテルに帰り、一日目は終わりました。

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何に刺されたんだろう?

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何に刺されたんだろう?

こんにちは。

今日の横浜市は曇り空。今日は仕事でしたが昨日はお休みだったので、友達とみなとみらいで久しぶりにランチをしました。

日曜日の夕方に虫に刺された?

日曜日のピリカの夕方散歩の後で、右膝の少し下、内側のふくらはぎに虫刺されのような痕があり、とりあえずムヒを塗りました。私は体質なのか滅多に蚊にも刺されないので珍しいなとは思ったのですが、その時は特に気にすることもなく就寝しました。

翌日に刺された箇所を見ると、赤みを増して腫れてきています。それでも、まぁ大丈夫だろうと再びムヒを塗って出勤。その後チクチクと痛みを感じていましたが、普段通り夕方はピリカのお散歩に行きました。

しかし、昨日の朝起きると刺された部分を中心に広範囲に晴れ上がり、かなりパンパンに張ってます。しかも洋服が触れると痛い(>_<)。でも友達とのランチは楽しみにしていたので、いつも通りにピリカを散歩させた後、ランチに出かけました。

そして友人とのランチを楽しんでいると、だんだん刺されたん部分が痛み始め、服が当たっていなくても歩くだけでも痛むようになり・・・

帰る頃には脚はかなり腫れて膝の曲げ伸ばしにも支障が出始めました。さすがに心配になって帰りに皮膚科に寄りましたが、先生曰くマダニなどの危険な虫刺されでは無いそうです。

とりあえず塗り薬と飲み薬を処方されて帰ってきましたが、脚がジンジンと痛い(泣)。

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ママが痛がるのを見て楽しむ鬼ピリカ

もちろんピリカはそんなママには1ミリたりとも配慮せず、遊ぼうアピールを繰り返して脚に飛びついてきます。私は必死にかわすのですが、何せすばしっこいピリカですから、一瞬の隙を突いてママの右足にアタ〜ック!

ドSピリカはママが痛がる姿を見て楽しそう。しかし本当に凄い腫れ具合だし凄く痛いので、かわいそうですがピリカにはケージに入って貰いました。

我が家ではピリカといい夫といい、私がテーブルの脚に足の小指をぶつけたり、寝相が悪くてベッドから落ちたりして痛がっていると、凄く楽しそうな嬉しそうな顔をします。間違っても「大丈夫?」とは言いません。なんて奴らだ全く・・。

優しいご近所さん

今朝になると、薬が効いてきたようで足の腫れもだいぶ引いてきていました。そして右脚を引き摺りながらピリカをお散歩させていると、柴犬君とお散歩中のお隣の奥さんに会いました。お隣さんは脚を引き摺る私に驚いていたので訳を説明すると「腫れが引くまでピリカちゃんの散歩は代わってあげるよ!」と言って下さいました。

でも、とりあえずお散歩ぐらいはできるので、もしまた痛みが出た時は遠慮なくお願いするとして、今回はもう多分大丈夫だと話しました。

彼女はピリカのことも凄く可愛がってくれますし、先日の停電の時も「何かあったらいつでも声かけてね!」と言って下さる気さくな優しい人。お隣さんが良い人で良かったと思います。

今週で良かった

脚が腫れたのはアンラッキーですが、今週で良かったと思います。これが来週であれば札幌で皮膚科を探すことになるところですし、脚を引き摺りながら義実家の掃除や作り置き惣菜を作るのは大変!作り置きしようにも材料が買いに行かれないし、隙間時間にカフェに行くことさえできなかったでしょう。でもこの調子なら来週までには余裕で治りそうです。そう考えると何だかんだ言っても私はやはり強運!

明日ぐらいまではあまり動き回れなさそうなので、札幌で何を食べるか、何処のカフェに行くか、時間を無駄にしないようじっくり考えようと思います。