まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:1、2020年5月19日、最期の時(犬の腎不全末期)

 

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元気だった頃。お転婆娘だった。

1、2020年5月19日、最期の時 (犬の腎不全末期)

2020年5月19日の午後7時を少し回ったころ、私は夕飯を終えてリビングに設置したペット用酸素ボックスの中を見た。マリモは苦しそうに肩で息をしつつ、何度か頭を持ち上げようとしている。息が苦しくて何とか楽な姿勢を探そうと力を振り絞っているように見えるので手を貸してあげたいけれど、下手に手を出すと余計に苦しませてしまいそうで手が出せない。

ふとマリモの口元のあたりを見ると黄土色に汚れていた。嘔吐したのだ。私はすぐに酸素ボックスの入り口を少し開けて顎のあたりの汚れを確認した。マリモは大量の胃液を吐いていた。マリモをあまり動かさないように気を付けながら、ボックス内に置いたベッドの上に敷いたタオルを外して新しいものに取り換え、口の周りを拭く。マリモは苦しそうに少し顔を上げたけれど伏せたままほぼ動かず、ただただ苦しそうな息を繰り返していた。

交換したタオルを広げてみると、かなり広範囲に黄土色の液体が染みており、尋常ではない量の胃液を嘔吐したことが分かる。動物病院は既に午後6時で閉まってしまっているけれど、先生に電話を掛けようとスマホを手に取った。嘔吐量が多すぎる。午前中に強めの吐き気止めが入った注射を受けたばかりなのに、この嘔吐は明らかに異常だ。マリモも苦しそうにしている。

異変に気付いた夫が様子を見に来た。夫はスマホを握りしめる私に、とりあえず酸素ボックスから酸素マスクに変えて様子を見てみてはと言い、酸素ボックスの窓を開けてマスクを直接マリモの鼻と口に当て始めた。

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マリモは我が家の可愛い一人娘だった。

最期の時

そして何分かが過ぎた頃、肩で息をしているマリモの尻尾が動き、全身に電気が走ったように痙攣が起きた。もう様子を見てはいられない。縋る思いで動物病院に電話すると院長先生が出た。先生にマリモの様子が明らかにおかしいことを話している間もマリモは痙攣を繰り返している。パニックになった私が半分泣きながら、とにかく直ぐに病院に連れていくと話しているその最中、夫の「駄目だ、もう・・・」という声が聞こえた。そして私が電話を繋いだままマリモに手を伸ばした時、夫に抱かれたマリモは最後に大きく痙攣した後、息絶えてしまった。我が家に舞い降りた小さな天使は、僅か2年で再び空へと旅立ってしまった。

マリモは最後に痙攣したままの、手足を伸ばし切った状態で動かなくなっていた。目は開いたままで口からは白い舌先がのぞいている。もう息絶えてしまったとはいえ、後脚に刺したままになっている静脈点滴用の管を抜いてもらうために、夫と二人でマリモを病院へ運んだ。

幸い病院は徒歩で3分ほどの距離にある。先生は入り口に電気をつけて待っていてくれた。そして脚の管を抜き、口の中を掃除したり詰め物をしたり、冷たくなっていくマリモの体をきれいに整えてくれた。

病院で待つ間、私は場所も弁えず声をあげて泣いた。我が家の可愛い愛犬であり、一人娘だったマリモは僅か2歳と18日で息絶えてしまった。それも最後は短時間だったとはいえ、苦しんで苦しんで死んでしまった。

冷たくなったマリモの体をいつも使っていたベッドに寝かせ、お気に入りだったピンク色の毛布を掛けた。先生に処置してもらったマリモは、さっきまでの目を開いたままの死に顔ではなく、まるで眠っているような穏やかな顔で横たわっている。しかしその穏やかな横顔は冷たく、もう二度と動くことはない。「ママ~!」とベッドから飛び出してくることもない。私は再び泣いた。

先天性腎臓形成不全の女の子

マリモは先天性の腎臓形成不全による重度の腎不全を患っていた。

生後3か月で我が家にやってきたマリモは、元気でお転婆な女の子だった。そして私達にたくさんの楽しい時間と深い悲しみを残して、わずか2歳と18日、一緒に暮らし始めてから1年9か月で虹の橋へと行ってしまった。

 今は全ての苦しみから解放されて、きっと虹の橋で元気に遊んでいるであろうマリモ。次は健康な体で生まれておいで。そしてもう一度、ママの所に帰ってきてね。また一緒にマリモが大好きだった公園をお散歩しよう。

 

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしております。

 

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