まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:17、メニエール病(1)

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2019年7月ごろ。梅雨であまり外に行かれず、少しご機嫌斜め。

17、メニエール病(1)

6月に入り、経過観察の為の血液検査を受けた。 

<血液検査> 2019年6月4日

BUN 107.8

CRE 3.6

しっかり皮下補液に通わせているのにCRE値は上昇していた。また、5月下旬から以前よりご飯を食べさせるのに時間がかかるようになっていたが、案の定BUN値が上がっていた。医師もこの結果には少しショックを受けたようで、しっかり通院している割には思ったより悪い数値が出たと言い、表情を曇らせた。

通常の腎不全であれば、皮下補液で循環を良くすることである程度は進行を止められるのに、マリモの場合はそもそもの治療する臓器がまともに形成されていないからだろうか進行速度が全く鈍らない。

腎不全に対する治療としては、皮下補液や静脈点滴、クレメジン(毒素吸着剤)と漢方薬の投与ぐらいしか選択肢が無い。

やろうと思えば腹膜透析を受けさせることもできるけれど、1回の費用が数万円かかるうえ、別に治るわけでは無いので定期的に透析に通わないといけないことから、費用面や透析できる病院までの通院等を考えると、あまり現実的な選択肢とは言えず、マリモには透析は受けさせないことにしていた。

クレメジンを1.5倍に増やす

そうなると、数値が悪化したとはいえ今の治療を続ける以外に選択肢が無い。あるとすれば皮下補液を週2回から3回に増やすことぐらいだ。マリモの治療は今頑張れば治るというものではない。短期戦ではなく超長期戦だ。細く長く続けていくためには医療費はなるべく抑えたい。

私は医師と相談して、点滴は基本的に週2回のまま据え置き、食欲が落ちたりしたら週3に増やすことにして、当面はクレメジンを1回1カプセルから1.5カプセルに増やすことにした。

このクレメジンが効いたのかはわからないが、クレメジンを増やしてからしばらくの間は、マリモは少し食欲を増したようだった。

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ソファーから私の様子を見るマリモ。

突然の目眩

7月に入ると梅雨が明けて暑い季節がやってきた。マリモの朝のお散歩は地面が熱くなる前に済ませるため、毎朝6:00頃に時間を変えた。早朝の公園はまだ涼しくて気持ちよく、ご近所のワンちゃん達もたくさん歩いていた。

この頃のマリモの体調はとても安定しており、血液検査の結果も少し良くなっていた。 

<血液検査> 2019年7月5日

BUN 102

CREA 3.3 

決して良い数値ではないが、やっと皮下補液の効果が出てきたようで嬉しかった。

7月下旬のある日、いつものように朝5時過ぎに起きてマリモをケージから出すと、夫のお弁当を作り始めた。しかしなんだか頭がクラクラして真っ直ぐ立っていられない。数日前から右の耳だけに耳鳴りがして、頭の右半分がプールに浸かっているような鼓膜が張るような違和感を覚えていた。

だんだん立っているのが辛くなり、何とかお弁当を詰め終わった時には床に臥せてしまった。そして立ち上がろうとして頭を上げた瞬間、頭の中がぐるぐると回転し始めた。

わたしの異変に気付いたマリモがソファーから降りて様子を見に来た。キョトンとした顔でこっちを見て、おもむろに臥せている私の顔を舐める。起きてきた夫にベッドまで支えて連れて行ってもらったが、ベッドに横になっても頭の中がぐるぐると回転しているような感覚があり、次第に吐き気が込み上げてきた。

これはただの目眩ではない。ぐるぐる回る感覚はどんどん酷くなり、吐き気もひどくなってきた。夫はもうすぐ出勤の時間だ。私は母に電話を入れた。母は朝っぱらからの電話に驚いていたが、事情を話すと家の用事が済んだら来てくれることになった。お散歩はともかくマリモの薬は絶対に飲ませなければならない。そして明日は皮下補液に連れていく日だ。

夫がマリモにクレメジンを飲ませ、食事の用意はしていってくれたが、マリモは途中でトッピングを足してやったり、粉々にした犬用チーズをふりかけたり、色々と工夫しないとなかなかご飯を食べない。

それに1時間空けて漢方薬を飲ませる必要もある。這ってリビングまで行こうかと思ったけれど、とにかく少しでも動くと気分が悪く、激しい目眩で頭の中がぐるぐる回り、起き上がろうとすると激しい吐き気が込み上げた。

夫は心配そうに見ていたが、母が来るということで、そのまま出勤していった。マリモがリビングから歩いてきて、寝室の入り口に私を呼びに来たけれど、頭を持ち上げることもできない。

マリモはしばらく寝室の入り口でワンワン吠えていたが、私が全く反応しないと中にトコトコ入ってきて私のベッドの端にやってきた。そしてそこでもワンワン吠えて私をよんだが、私が全く動かないと、ベッドの足元に敷いてあったマットの上に伏せて、大人しくなった。

そのまま1時間ぐらいが過ぎたころ、目眩は少し治まってきて、吐き気はするものの何とか体を起こせるようになった。私が体を起こすと、足元に居たマリモはすかさず起き上がり、尻尾をブンブン振りながら前足をベッドの縁に掛けた。

まだリビングまでは歩けそうにない。私はマリモをベッドに乗せ、一緒に横になった。マリモは私のお腹に上半身を乗せて、そのまま大人しくしていた。 

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしております。

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