まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:20、突然の悪化(2)~犬の腎不全末期・尿毒症~

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嘔吐の2日前、夫とソファーに座るマリモ

20、突然の悪化(2)~犬の腎不全末期・尿毒症~

※今回は前回の記事の続きです。

marimotan.hatenablog.com

その週末、マリモに新品の腹巻を洋服の下に着せて私と夫はいつも通り散歩に出ようとした。しかし外に出てもマリモは歩かない。あれっ?と思って様子を見ていると、マリモは突然、大量に嘔吐した。

マリモはこれまでの時々嘔吐することはあった。しかしそれは大概漢方薬を飲ませた数分後のことで、それ以外での嘔吐は無かったし量もほんの少しだった。驚いた私は直ぐに動物病院に向かい、マリモは血液検査を受けた。

実は前回の7月の血液検査以降、この日までマリモは血液検査を受けていなかった。1月から7月までの期間は少しの変化はあったものの、数値に大きな変化はなく、むしろ少し改善に向かっていたこと、マリモの体調は安定していたし、食欲もあって元気溌剌だったことから、医師と相談し、あまり頻繁な血液検査は必要ないだろうということで、特に体調の変化が無い限り、血液検査をお休みしていたのだ。11月に入りさすがに結構空いてしまったので、そろそろ一度検査したほうがいいかと思っていた矢先の出来事だった。

<血液検査> 2019年11月17日

 BUN 130以上

 CRE 4.8

 HCT 34

重度の尿毒症

検査結果に私は絶句した。BUNは計測できる最大値である130を超えており、正確な数値は検出されなかった。CERも4.8と、第3期の末期、ほぼ第4期に入ってしまっていた。

既に重度の尿毒症である。これには医師も相当驚いていた。通常BUNの数値が振り切れるほどであれば、吐き気が激しくて食事など到底できなくて当たり前なのだそうだ。確かにマリモはその日、朝の食事を食べなかったので私達は先にお散歩をさせようとしていた。

しかし前日までは普通に食べていた。それにほんの2週間ぐらい前まではこれまでの生活で一番食欲を見せていて、もりもり食べていた。

そして貧血も進んでいた。これまでは若い犬にしては少し血液が薄いかなと言う程度だったのが、明らかに貧血を示すところまで数値が落ちていた。とはいえ赤血球当たりのへもグロビン濃度や赤血球当たりのヘモグロビン量はまだ正常値を保っている。

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嘔吐する直前の週末。ソファーの上で目覚めて伸びをするマリモ

皮下補液から静脈点滴へ

医師は表情を硬くしながら、治療のレベルを今よりも上げることを提案してきた。今までは皮下補液だったが、今後は静脈への点滴を始めたほうがいいと言う。静脈への点滴では静脈に点滴用の管を挿入し、一週間程度同じ管を使用するそうで、前脚に管を刺したままになる。ひとしきり説明を聞いた後、私は点滴でもなんでも受けるのでとにかく苦痛を和らげてあげて欲しいと依頼して、一度家に戻り夫に検査結果を伝えた。

約一時間後、病院から点滴終了の電話が入り、私はマリモを迎えに行った。マリモは左の前脚に管を刺して包帯を巻かれていた。この管は挿入されていても一切痛みはないそうだけれど、やはり違和感があり気にする子はきにするとのことだった。

マリモは家に帰ってきた時には歩きづらそうにびっこを引いていたが、直ぐになれたようで普通に歩き始めた。しかし点滴を打ったとはいえ、食欲は直ぐには戻らず、その日は薬とサツマイモだけを食べさせた。そしてそれから10日間、私とマリモは毎日点滴に通った。

この日から、マリモの体からは尿毒症特有の強いアンモニア臭が漂った。この強烈な体臭が以前から放出されていたとしたら、私達が気づかなかったわけがない。やはり急激に悪化したのだろう。マリモはそれまでの元気はなくなり、殆どの時間をベッドにいるか、ソファーのお気に入りの位置で座って過ごしていた。

点滴に通い始めて4日目、しっかりと点滴が効いているかを確認するために血液検査を行った。

<血液検査> 2019年11月20日

BUN 119

CRE 4.2

HCT 36.6

僅かとはいえ数値は改善され、振り切れていて正確に測定できなかったBUNは119まで落ちていた。とはいえ100を超えている以上、吐き気による気持ち悪さは相当なもののはずだった。

医師は、無理に食べさせる必要はないけれど、とにかく食べるものがあれば食べさせることが重要だと言った。これだけ数値が悪化してしまうと、もう大して美味しくない療法食では食べてくれない可能性が高い。であれば、とにかく食べるものを食べさせるしかない。 

何も食べないのが一番悪い

ずっと療法食を続けてきた私としては、マリモが食べるであろうおやつ類ばかりを与えたら、体調が余計に悪化してしまうのではと思ったが、医師はきっぱりと「何も食べないのが一番体に悪い」と言い切った。もうこの段階に来たら、正しい食事をさせることよりも、とにかく食べて体重の減少を防ぐことが大切で、療法食以外を食べた害よりも体重が減ることの方がよほど怖いのだという。

私はマリモを連れて帰ると直ぐにペット用品店に向かい、マリモが好んで食べそうなおやつ類を買い込み、手作りご飯を作るための材料を買った。1月から7月までの半年間、検査の数値が安定していたとはいえ、油断しすぎていた。それにグランベリー・パークの人ごみに連れ出したのもきっとストレスになったのだろう。元気のないマリモを見ていると涙が込み上げる。せめて少しでも美味しく食事ができるよう、手作り食を頑張らなければと強く思った。

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしてあります。

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