まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:21、静脈点滴生活(2)~犬の腎不全末期・治療法と効果~

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前脚から点滴用の管が外れて、遊んでほしそうな顔で座っているマリモ。

21、静脈点滴生活(2)~犬の腎不全末期・治療法と効果~

※今回は前回の記事の続きです。

marimotan.hatenablog.com

マリモがやっと皮下補液に戻せるようになり、一安心と思ったのもつかの間、このひと時の安心は翌々日には破られることになった。火曜日の朝に管を外したマリモは2日間の管無し生活をエンジョイし、公園を軽快に歩いていた。そして木曜日の朝もいつも通りお散歩に連れて行こうと思った時、マリモが嘔吐した。

つかの間だった回復

木曜日は動物病院はお休みの日だったが、私はとりあえず病院に電話をした。電話は留守電になっていたけれど伝言を残すと直ぐに院長先生から電話があり、朝一で来られるのであれば対応してくれると言う。私は急いでマリモを連れて病院へ向かった。

<血液検査> 2019年12月11日

BUN 130以上

CRE 5.3

HCT 34.5

CREの数値に目眩がする気分だった。ほんの2週間前には100を切っていたBUNは再び130を超え、CREに至っては5.3、末期と言われる5.0を超えていた。あんなに頑張って点滴に通わせたのに、遂にマリモは第4期、いわゆる末期に入ってしまった。マリモは診察台の上からクリクリの目で私を見ている。私の涙腺は一気に崩壊した。

結局マリモはあっという間に静脈点滴の日々に戻ってしまった。しかも11月半ばの時とは違い、今は年末が近づいて仕事も繁忙期だ。11月のように毎日通わせるのは難しい。

医師は、前回と違ってマリモは嘔吐したものの尿毒症の臭いはしていないし、何より元気も食欲もあることから、皮下補液に戻すのは無理だとしても、とりあえず一日おきに点滴を受ければ、ある程度小康状態は保てるのではと言った。とにかくできる限り通わせるしかない。

医師の話では、通常であれば集中した点滴である程度数値が回復すれば、暫くは皮下補液に戻して血管を休ませ、また再び悪化した時に備えるのだそうだ。そして腎不全は老犬ではよくある疾患で、今までにも数えきれないほど腎不全の犬を見てきたが、これだけ集中的に点滴して回復したのに、点滴を外したとたんに悪化してしまうような例は無かったという。

やはり、本来正常に機能していた腎臓の機能が衰えていく場合と、そもそも最初から腎臓がしっかり形成されなかった場合とでは、かなり症状が違ってしまうのだろう。マリモの元気な姿からは信じられない数値の悪化だった。
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点滴が効いて、元気を取り戻したマリモ。

腎不全に順応しながら成長した身体

医師の説明では、検査の数値の割にマリモが元気なのはマリモは先天性の腎不全の為、その状態に順応しながら成長しているからだろうとのことだった。通常であればBUNが測定できないほど高くCREが5を超えた犬が、普通に食事をして元気に歩き回ることはあり得ないそうだ。そしてマリモの症状が悪化する時のスピードは、老犬の腎不全よりも不安定かつ速い。

ずっと泣いている私に医師は懇切丁寧に今のマリモの状態を話し、数値は相当に悪いとはいえ、とにもかくにも食事をして散歩をする元気があるのなら、しっかり点滴さえ受けさせれば急激に衰えてしまう可能性は低い。そう悲観せず一緒に頑張っていきましょうと励ましてくれた。

そして飼い主があまり精神的に不安定になると、犬も不安になるのでできる限り普段通りに接してあげてほしいとも言われた。この頃の私は本当にしょっちゅう病院で泣いていた。

あとから聞いた話によると、同じ病院に通院していた人たちの間では、私はいつも泣いている人ということで、結構知られていたそうだ。そんな泣いてばかりいる情けない飼い主を、マリモはいつも頬を舐めて励ましてくれた。 

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしてあります。

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