まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:23、肺炎と貧血 ~犬の腎不全末期・誤嚥性肺炎の危険~

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元旦、初詣に出かけたマリモ

23、肺炎と貧血

2020年になりマリモは2回目のお正月を迎えた。私達は朝からお雑煮とお節を食べたけれど、マリモは普段通りの療法食とサツマイモ、あとはお正月ということで、クレメジンを飲ませる用以外に、少量のヨーグルトにバナナをトッピングして食べさせることにした。マリモはヨーグルトもバナナも大好きなので大喜びで食べてくれた。

午後からは、前年にもマリモを連れて初詣に行ったお寺に行くことにしたが、今年のマリモにはもう長い距離は歩けない。マリモをキャリーバッグに入れて、身体を冷やさないように低温に設定した蓄熱式の湯たんぽをタオルに巻いてお腹の下に入れ、上からブランケットをかぶせた。お寺は昨年同様に混んでいたけれど、私達は1時間程度で初詣を済ませ、軽い食事をして帰宅した。

マリモは年末の集中点滴が効いているのか、家の中では元気に過ごしていた。点滴の管も外していることもあり、そこまで重篤な尿毒症を患っているようには見えない。医師は体重の減少を恐れていたけれど、この頃のマリモは食欲が比較的早く回復したこともあり、体重はほとんど減っていなかった。マリモはキャリーバッグに入っていたとはいえ、3人で外出して外の空気をたっぷり吸ったせいか、ご機嫌で夫と遊んでいた。

 マリモの腎臓関連の数値が既に末期に差し掛かっていることは理解していたけれど、目の前で尻尾フリフリ夫と遊ぶマリモを見ていると、この子が既に末期の腎不全とはとても思えない。実際、医師もマリモが数値の割には元気に過ごしていることを驚いていた。これだけ数値が悪化してもマリモが元気に過ごせていたのは、先天性の腎不全であるがゆえに、身体が尿毒症に順応しながら成長してきたからだろうという。

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連日の点滴と抗生物質投与で回復したマリモ

突然の発熱  ~犬の腎不全末期・誤嚥性肺炎の危険~

1月4日、点滴を受けて帰ってくるとマリモは点滴後だというのにあまり元気が無く、夕食もあまり食べようとしなかった。翌朝にはさらに元気がなく、ぐったりしている。朝一番で病院に向かい、診察を受けるとマリモの体温は40℃を超えていた。至急レントゲン検査や血液検査を行うと、マリモの肺は全体的に白っぽい影に覆われていた。医師の診断は誤嚥性肺炎だった。

<血液検査> 2020年1月5日

BUN 127

CRE 4.4

HCT 24.6

貧血は進んでいるが、腎臓の数値は前回より少し改善している。マリモは肺炎によって高熱を出していた。点滴と抗生物質の処方を受けて家に戻ると、マリモは何故かベッドには行かずに、キャリーバッグの中に戻ってしまった。キャリーバッグの中には蓄熱式湯たんぽが入っているからかと思い、湯たんぽをベッドに移しても、マリモはやはりバッグに戻ってしまう。仕方なくキャリーバッグの中にバスタオルを敷いて、その上に湯たんぽを乗せて、湯たんぽの上にマリモを寝かせ、毛布を掛けた。

マリモはキャリーバッグの口から顔を出し、苦しそうに眠っている。何故ベッドではなくキャリーバッグの中がいいのだろう。その姿はまるで、元気になってまたここに入って3人でお出かけしたいと言っているようにも見えた。

昨年の秋、仕事のない平日には、私はマリモを連れてよく二子玉川の河川敷に遊びに行っていた。午前中の家事が終わったらマリモをキャリーバッグに入れて、20分ほど電車に乗り二子玉川へ向かう。そして玉川公園のスターバックスで軽食と飲み物を買ったら、午前中いっぱいは河川敷でお散歩をしたり休憩したりしてのんびりする。

マリモはいつも広々とした河川敷をご機嫌で歩いていた。その頃からマリモはキャリーバッグを出すと、大喜びで自ら中に入るようになっていた。また一緒にお出かけしたいのだろうか。

暫くして様子を見ると中のバスタオルが濡れていた。中でおしっこをしてしまったのだ。マリモは皮下補液と投薬を受けるようになってからは、ベッドにお漏らしをすることは無かった。今はトイレに行くこともできないほどに具合が悪いのだろう。そっとマリモをベッドに移し、急いでバスタオルを取り換えつつ、早く熱が下がることを祈った。

熱が下がって回復するも、不安が残る

連日の抗生物質の投与と静脈点滴が功を奏したのが、マリモは1月7日には平熱に戻り、10日頃にはだいぶ元気を取り戻した。肺の白い影も消えている。多分もう大丈夫だろう。しかし誤嚥性肺炎と言うことは、食べ物を上手く飲み込めなかったのだろうか。

でも食事中はいつも付きっ切りで食べさせているが、見ている限り特に咽たりする様子は無かった。胃液が逆流したのだろうか。でも最近嘔吐はしていない。もし胸焼けなどで胃液が逆流したなら、気を付けていても防ぐ手段が無い。とにかく今まで以上に食べるときの様子や嘔吐には気を付けて、体調の変化にも気を付けるしかない。

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腎臓の数値は落ち着いているのに貧血が進んできた

進み始めた貧血とホルモン剤治療

更に気になるのは貧血の数値だった。腎臓関連の数値が安定する中、貧血だけが一気に悪化している。次回の点滴の際に貧血について相談すると、医師は点滴の際に造血の為のホルモン注射を追加することを提案してきた。

しかし、私はホルモン注射には賛成できなかった。私自身が婦人科系の治療の際にホルモンに関係する注射をして、副作用でひどい体調不良に陥り、回復に年単位の時間が掛かったことがあったからだ。

併せて費用の問題もある。注射は一回で2,500円掛かる。12月の医療費は17万円近かった。今月も連日の点滴で16万円は超えるだろう。これに点滴のたびに1回2,500円のホルモン注射を追加すると、3~4万円は掛かる。いくら保険である程度賄えるとはいえ、1カ月20万円以上の医療費負担は苦しい。

しかもそれが、貧血が解消されるまでの期間限定ではなく、ホルモン注射を打たない限り貧血状態に陥ってしまうのだから、今後ずっと打ち続けることになるのだ。既にボロボロになっているマリモの血管はその負担に耐えきれるだろうか。

何より、私自身がホルモン剤注射による治療時に感じたような吐き気や倦怠感等の不調を、マリモに感じてほしくはない。私の場合は自分の判断で副作用の症状が強すぎたホルモン注射を中断したが、マリモは苦しくても私にそれを訴えることができない。

私はとりあえずその日はホルモン注射を行わず帰り、夜、夫に相談した。しかし資金繰りを考えても、やはり一ヵ月20万円は難しいだろうという結論になった。私がフルタイムで働けば稼げない金額ではないが、そうするとマリモを通院させる時間が無くなってしまう。

今の赤字分は保険金を充当して凌いでいるが、これが期間限定であればまだしも、かなりな長期戦になるのであればいずれ限界がくる。これ以上の医療費負担は現実的ではない。私達はとりあえずホルモン注射は受けずに様子を見ることにした。

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしてあります。

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