まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:33、夜も一緒に ~犬の腎不全末期・衰弱していくマリモ~

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5月4日頃。ここから急に衰弱が始まった。

33、夜も一緒に ~犬の腎不全末期・衰弱していくマリモ~

5月14日の夜、私がお風呂からあがって寝室に行くと、マリモは夫が寝転がっている横にちょこんとお座りしていた。いつも夜はリビングの自分のベッドで寝ていたのに、その日はいつも通りにベッドに寝かせ、リビングの電気を消したら寝室までやってきたのだという。

もう一度リビングのベッドに連れて行ってみたけれど、やはりそこには眠らず寝室に来てベッドに上がりたがる。一人で朝までリビングに眠るのは不安なのだろうか。私はとりあえずマリモのベッドを寝室に移動させて、夫のベッドの横に寝かせた。

マリモはベッドに上がりたがったけれど、ベッドで一緒に眠るのは危険すぎる。私達も眠っているときにはどんなふうに寝返りを打つか分からない。元気な時でも危ないのに、身体の弱った今、寝返りを言った時にマリモを蹴ってしまったりしたら大変だ。

私はマリモのベッドの横に座り、寝かしつけるように体を擦った。マリモはとりあえず寝室に移動して安心したのか、マリモは自分のベッドで朝まで眠ってくれた。

一緒に目覚めた朝

翌朝、マリモはいつものように私達を起こしはしなかった。夫が7時近くになって目を覚ますと、マリモは既に目覚めていてじっと静かにこちらを見つめている。私達は起き上がり、マリモをベッドに乗せたままリビングまで運ぶことにした。マリモはもう朝食も食べないし、私は薬を飲ませることは無い。しかしもし食べたいなら食べられるように、小皿には細かく刻んだ果物やヨーグルトは置いておくようにしていた。

マリモは私達の朝食が終わらないうちに寝室に歩いて行って、ベッドにのせてくれとせがんだ。以前は天気のいい日には必ず窓際にきて日向ぼっこをしていたのに、もうそれさえせず一日中ずっとベッドの上で横たわっている。

元々女の子にしてはかなり活発で、元気だった頃は大変なおてんば娘だった子だ。よほど身体が怠いのだろう。点滴に強い吐き気止めを入れているから嘔吐することは無いけれど、吐き気も相当強いはずだ。通院させることと横に座っていること以外に何もしてあげられない自分の無力さに涙が止まらない。

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お誕生日の頃は、まだ夫と遊ぶ元気があった。

無力感

マリモは泣いてばかりいる私を静かに見ていた。私が横に座っていても、もう膝に上がってくることもない。今度こそ別れの時が近づいているのを感じた。

まだ数日前に2歳の誕生日を迎えたばかりだというのに、マリモが我が家の子になってからまだ1年9か月しかたっていないというのに、マリモの命はもう終わりに向かおうとしている。まだ一緒にいたい。でも今の状態のまま生き続けるのはマリモにとっては苦しく辛いことだろう。

マリモの腎不全が判明してから、私はマリモをできる限り長生きさせたいとは思ってきたが、長生きよりも重視していたのは身体的な苦痛を与えない、若しくは和らげることだった。

もうここまで来たら少しでも長く生きさせることは埒外として、いかに苦しませず最後まで見守ってあげられるかだろう。しかしもう点滴に通わせて少しでも循環を良くしてあげること以外にできることが無いが、それさえどれだけマリモの苦痛を和らげているのかはわからない。

マリモは何度行っても病院に慣れることは無く、いつも診察の前は震えていた。もしかしたら点滴の効果よりも、通院のストレスの方が上回っているのではと思うこともあったけれど、既に絶食状態で水を飲む量も減ってきているマリモに点滴をしなければ直ぐに脱水状態に陥ってしまうだろう。

点滴を受けさせながら見守るしかない。どんなに愛していても、末期の腎不全に掛かった犬の前では飼い主は全く無力な存在だった。出来ることといえばそばにいて、しっかり通院させることぐらいだ。昼間はもちろん、夜も一緒の部屋で寝て、何か変化があったらすぐに気づけるようにするしかない。 

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしてあります。

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