まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:35、呼吸 ~犬の腎不全末期・突然始まった呼吸困難~

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ソファーで寝転ぶ夫の上に乗るマリモ。

35、呼吸 ~犬の腎不全末期・突然始まった呼吸困難~

5月18日、日曜日は朝からあまり天気が良くなかった。今月になってから、雨の日はマリモの体調もすぐれないことが多くなっている。医師も末期の最後の方では体調はちょっとした気圧の変化や天候にも左右されるようになると言っていた。

マリモは相変わらず寝室から離れない。ただ昨日までは私達のベッドに上がりたがっていたのに、昨夜一緒に眠った後は朝から犬用ベッドに入って横たわっていた。

昨日よりも少し元気が無いので動かすのは少し躊躇われたけれど、昨日あたりからお水を飲む量が明らかに減っている。脱水を防ぐためにも点滴を受けさせなければならず、マリモを抱っこして病院に向かった。

医師から見てもマリモはかなり衰弱が進んでいる。以前なら色々とアドバイスをくれた医師が最近は言葉少ない。その沈黙がマリモの状況の深刻さを物語っているようで怖かった。

いつも通り点滴を終えて家に戻るとマリモは再び犬用ベッドに入った。私はマリモのベッドに敷いてあったバスタオルを新しいものに変えて、傍らにお水を置いた。

呼吸の変化

午後になってもマリモはずっとベッドから動かなかった。時々様子を見ては、口元にお水を運んだり、濡らしたタオルで口元を湿らせたりしたけれど、あまり反応は良くない。点滴で疲れてしまったのかと思い、そのままそっとしておくことにした。

午後になって私は買い物に出かけた。出かける際に寝ているマリモの様子を見たときは、マリモは静かに横たわり私の方をじっと見つめていた。それから1時間半余りたって帰宅すると、ここ数日、私が帰宅すると必ず吠えていたマリモの声がしない。

直ぐに寝室に様子を見に行くと、マリモの呼吸がおかしい。胸の辺りが激しく上下して息苦しそうに肩で呼吸をしている。時計を見ると既に午後の診察は始まっている。今日は朝も病院に連れて行ったけれど、この様子ではもう一度連れて行った方がいいだろう。

私は大急ぎで病院へ電話した。しかし週末の病院は大変に込み合っていて、直ぐに順番は回ってきそうもない。私はマリモの背中をさすりながら家で順番を待っていた。そして待つこと約1時間、17時ごろになってやっと病院から電話があり、大急ぎで病院に向かった。

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5月5日頃。ソファーのお気に入りの場所で。

肺の雑音

医師はマリモの肺から雑音が聞こえるといい、恐らく肺炎だから抗生物質を注射してみるかと尋ねてきた。しかし体温を測っても平熱だし、前回の誤嚥性肺炎の時にはこんなに息苦しそうにはしていなかったことからして、私にはマリモが肺炎のために苦しんでいるようには見えなかった。

取りあえず、マリモを高濃度酸素室に入れて私は医師と話し合った。医師は点滴で補液して体内の循環を良くし、抗生物質を注射することを提案したが、私はその時、別の症状を疑っていた。

以前、腎不全の犬を看取った飼い主さんのブログで読んだある記事が頭をよぎった。その子はて点滴で補液を繰り返していたが、いよいよ終わりが近づいたとき、息苦しそうにしているので検査をしたら、補液した水分を体が代謝しきれず肺に水がたまり、肺水腫になってしまっていたと言うものだった。

それで仕方なく補液した水分を利尿剤で排出させたりしているさなかに息を引き取ったという話だった。その犬の状況と今のマリモの状況は似ている。私はマリモは肺水腫になったのではと考えた。心音はしっかりしているというが、時々見られる前脚を突っ張る姿も、肺水腫になった犬が何とか呼吸を楽にしようとするときに見られる動作に見える。

医師と話し合うも、肺の雑音だけでは判別がつかない。それにマリモの貧血具合では十分な酸素が供給されず、そのせいで苦しい可能性もある。肺水腫であればさらに補液をしてしまったら更に悪化してしまう。普段ならば医師の判断に任せる私だけれど、この時はどうしても更に補液をする気にはなれず、抗生物質のみ投与してもらうことにした。

マリモを連れて帰る

マリモは高濃度酸素室で少しは息が楽になったのか、静かに横たわっている。診察時間終了時まで高濃度酸素室で休ませ、入院させるか否かはその時点で判断することにした。

マリモを高濃度酸素室で休ませている間に、医師は家庭で設置できる高濃度酸素ボックスのレンタル業者のパンフレットをくれた。もしこれが設置できればマリモを家で看病できる。早速電話をしてみたけれど、既に時間外だったようで繋がらなかった。

診察時間が終わり、マリモをいったん高濃度酸素室から出してみた。マリモは激しく衰弱してヨロヨロしているけれど、呼吸はかなり安定していて、しきりに帰りたがり抱っこをせがんだ。

また息が荒くなった時のことを考えると連れて帰るか悩んだけれど、マリモは必死に帰りたがっているし、医師もここまで衰弱していると夜のうちに高濃度酸素室で息を引き取る心配もあるという。

マリモにとっても、既に動けないほど弱った状態で慣れない場所に置いて行かれるのは不安だろう。だからこそ衰弱した体で必死に一緒に帰ると訴えているのだ。悩んだ末、私はマリモを連れて帰ることにした。 

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしてあります。

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