まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:41、マリモは約束を果たしてくれた 〜2歳までは生きる・犬の先天性腎不全〜

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マリモ、2019年9月ごろ ソファーのお気に入りの位置で

41、マリモは約束を果たしてくれた ~2歳までは生きる・先天性腎不全~

マリモの葬儀を無事に終えた翌日、私は膨大な量のマリモの写真を整理していた。マリモの写真は生後3か月で対面した時から始まり、我が家にきて1年9か月の間に撮影されたその枚数は、約2,000枚になる。中には獣医さんに様子を伝えるために撮影したものもあるけれど、それらを除いても1,500枚はあるだろう。

真っ黒な小さな赤ちゃん犬だったマリモが、少しずづ大きくなっていく様子がつぶさに残されている。先天性の腎臓形成不全を抱えた体でよく成犬まで成長してくれたものだと思う。マリモは本当に頑張った。

昨年までは、日々の生活の中でマリモが見せたかわいい表情やしぐさ、家族で出かけた時の写真になるけれど、今年に入ってからは、医師に家での様子を知らせるために撮影したものが多くなってくる。特に多いのが2月の末から始まった最初の絶食とそこからの回復の頃の写真だ。

この時は、もう医師も私もマリモはこのまま衰弱して、一緒に桜を見ることはないと思っていた。しかし、マリモは3月3日を境いに奇跡の復活を遂げ、3月下旬には2回目のお花見を楽しんだ。この復活劇には医師も心底驚き、なぜ回復したのかは見当もつかないという。f:id:Marimotan:20200915103837j:plain

2歳の誕生日、夫に甘えるマリモ

マリモはママとの約束を守った

 私は、マリモはママとの約束を守るために回復したのだと思っている。あの奇跡の復活劇は、私の悲願を達成させるため、ママとの約束を守るためにマリモが起こした奇跡なのだと。

マリモの腎不全が発覚し、早ければあと数か月、長く生きたとしても3歳まで生きることはないと宣告された時から、マリモの2歳のお誕生日を祝うことは私の悲願だった。私は日々マリモにも「2歳までは絶対に頑張ろうね。」と話しかけていた。

2月末から絶食に陥ったマリモは、わずか1週間程度で4kgしかない体重を1kg減らしてしまい、その衰弱ぶりは見るに堪えなかった。私は時間の許す限りマリモを膝に抱いて、痩せ衰えていく体を摩り続けた。頭の中では何とか2歳までは頑張って欲しい、まだまだ一緒にいたいと思うと同時に、もうこんなに辛そうならば頑張らなくていい、楽になっていいという思いが混在して、とにかく私は泣いてばかりいた。

私には、あのマリモの復活は2歳までは生きてほしいという私の切なる願いのために、マリモが最後の力を振り絞ってくれたとしか思えない。

そして遂に5月2日、マリモは無事に2回目の誕生日を迎えた。マリモは私との約束を守ってくれたのだ。しかし奇跡の復活劇はここまでで終わってしまった。誕生日の翌々日からは再び食が細り、あっという間に絶食に陥ってしまったマリモは、誕生日のわずか18日後には虹の橋に旅立ってしまったのだ。

だからこそ思う。マリモはきっと私との約束を守るために回復してくれたのだ。そして無事に約束を果たし、虹の橋に旅立ったのだと。

頑張ってくれたマリモに、心からありがとうと言いたい。

 

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしてあります。

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