まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

ペットロスを超えて:3、ピリカとの出会い

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ピリカとご対面!

3、ピリカとの出会い

夫から新しい子を迎えてはと提案されてから少し経った頃、夫が家から日帰りで行かれる範囲に犬舎のあるブリーダーさんの仔犬を見つけてきた。正直あまり気が進まないまま、夫に「とりあえず見るだけでも」と促されて渋々出かけていくと、そこには生後45日を迎えたヨーキーの赤ちゃんが2匹、お母さん犬と一緒にケージに入っていた。赤ちゃんは男の子と女の子が1匹ずつ、2匹とも元気いっぱいでケージから出されるとヨチヨチと歩き始めた。

私は2匹のうち女の子の方を抱き上げてみた。見るからにヤンチャそうなその子は、いきなり知らない人間に抱き上げられて驚いたのか、妙に神妙にしている。マリモとの初対面はまりもが生後3か月を過ぎたころだったから、今のこの子はマリモよりかなり小さく頼りない。

マリモが亡くなってからは、お散歩中の犬を見るだけでも辛かったというのに、何故かこの子たちを見ても辛さは感じなかった。むしろ赤ちゃんヨーキー達の姿を見ていると、ずっと風穴があいたようだった胸が、じんわりと暖まっていくようだった。

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リビングを走り回り、疲れて眠るピリカ

ピリカをお迎えする

私が仔犬と戯れている間も夫はブリーダーさんと話し込んでいた。前回のマリモの事があり、費用は支払うので仔犬をお迎えする前に血液検査を含む健康診断をしっかり受けさせてほしいこと、そしてその結果を待ってからお迎えするか否かを決めたいことなどを話すと、ブリーダーさんは快く事前の検診に同意してくれた。

そしてあっという間に夫とブリーダーさんの商談はまとまり、私達は女の子の方を購入予定として、血液検査を含む健康診断結果を待ってから正式に購入を決めることにになった。

それから1週間後、ブリーダーさんから検診結果の連絡がありヨーキーの女の子は我が家の子になると決定した。名前は「ピリカ」アイヌ語で「可愛い」とか「美しい」という意味があるそうだ。夫は仔犬を迎えたいと思った時からこの名前にすると決めていた。こうして生後55日目にピリカは我が家の子となった。

その週末、私と夫はピリカをお迎えに行った。ピリカは小さな体でキャリーバッグの端っこの方で丸くなり、不安そうな顔でキュンキュン鳴いている。私達はとにかく暑さを避けながら電車を乗り継いで家に帰り、ピリカをキャリーバッグから出した。

ピリカの体重は約1kg、マリモが我が家にやってきた時は1.7kgぐらいだったから、約半分より少し大きいくらいだ。改めて見ると本当に小さい。仔犬と言うより大きめのネズミのような大きさだ。警戒心が強かったマリモと違い、ピリカは怖いもの知らずで何にでも興味を持つ性格らしく、初日から所狭しと家の中を探検して回った。

しかし、ものすごく元気が良いものの、ピリカはあまりご飯を食べなかった。悪い予感がして嫌な記憶がよみがえってくる。私は急いでブリーダーさんに連絡し、犬舎でのピリカの食事について細かく質問した。

ブリーダーさんの話によるとピリカはまだ母犬のお乳も飲んでいたため、ドッグフードはあまりガツガツとは食べていなかったようだ。量も置きっぱなしになっているエサ入れから食べていたそうで正確には解らない。私は急に不安になった。

そして夜、ピリカは真夜中の1時を回った頃から夜鳴きを始めた。そのうち疲れて鳴き止むかと思いきや、その後も数時間、途中休みながら鳴き続けて眠る様子が無い。昨日まで母犬と兄妹犬と一緒に眠っていた子が、いきなり知らない場所に連れてこられてしまって心細かったのだろう。私が起きていくとやっと鳴き止んでくれたので、私はピリカをケージから出し膝の上に乗せた。

マリモであれば私の膝に乗ればそのまま二度寝してくれるので、私もソファーに横になり一緒にウトウトするところなのだけれど、ピリカはそうはいかなかった。殆ど眠っていないというのに元気いっぱいで私の膝の上にじっとすることが無い。下に降ろせば元気にリビングの探索を始めるので片時も目が離せない。

ピリカは初日からリビングの床を勢いよく走っては派手に転んでいた。まだまだ骨だってしっかりしていないだろう体では、これは危険すぎる。私は大急ぎでネットでペット用のタイルマットを通販で注文した。しかもピリカは走りまわるだけでなく、目を離すと台所でもトイレでも寝室のベッドの下でも何処でもすばしっこく入り込んでしまう。

マリモも体格がよく、ヨークシャーテリアにしては強靭な足腰に支えられた身体能力で、元気だった頃はかなりのおてんば娘だったが、ピリカも負けてはいない。赤ちゃんだというのにすばしっこい機敏な動きと怖いもの知らずな性格で、ケージから出しておくと、いつまででも暴れまわる。私は初日からクタクタになってしまった。

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