まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

チーちゃんの思い出:2、分離不安に振り回された日々

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母の布団に潜り込むチーちゃん。

2、分離不安に振り回された日々

チーちゃんは殆ど手がかからない良い子だったけれど、私と母が溺愛しすぎたせいでかなり重度の分離不安症だった。母の姿がみえなくなると途端に不安げな表情になり、母と私以外の人間からは何を貰っても殆ど口にしない。母が旅行する際にもペットホテルには預けることができず、私が有給を取って実家に泊まりにいっていた。

避妊手術や癲癇の発作で入院した時には、獣医さんから貰うご飯を食べていたけれと、たまに会っていた兄夫婦から貰った食べ物さえ、あまり手を付けなかった。

大急ぎでお伊勢参り

チーちゃんが3歳になった頃、母の希望で二人でお伊勢参りに行った。残念ながら伊勢神宮には犬は参拝できないので、チーちゃんは兄夫婦の家で一晩預かってもらうことにした。当時、チーちゃんは兄夫婦の家にも行ったことが何度もあったし、おやつも貰っていたので、私も母も兄夫婦の家なら問題ないと思っていた。

そして当日、朝早くにチーちゃんを兄夫婦に預けて私と母は伊勢神宮に向かった。兄にチーちゃんを渡した時、チーちゃんはちょっとキュンキュン鳴いた程度で、特に不安げな表情では無かった。

久しぶりの母娘旅行は楽しく、二人でガイドブック片手にまずは下宮から参拝を始め、途中スイーツを食べたり二見ヶ浦へ足を伸ばしたりして1日目は終わった。

そホテルに着いて携帯電話を見ると、私の携帯と母の携帯に兄から着信が残っている。もしやチーちゃんに何かあったのかと急いで折り返しの電話をかけると、兄は困った声で「チーちゃんがご飯も食べないし水さえ飲まない」と言った。急な体調不良かと、かかりつけの動物病院に連れて行ったけれど特に何も問題は無く、獣医さんからは「お母さんもお姉さんもいない不安からでしょう。」と言われたと言う。確かに今までは兄の家に行く時も必ず母が一緒だったし、私も母も長時間居ない状況はチーちゃんにとって初めてのことだ。

食事をしないのはまだしも、お水も飲まないのはいけない。驚いた母と私は翌日の予定を大幅に変更して早朝に伊勢神宮の内宮に大急ぎで参拝し、午後には横浜に帰ってきた。

チーちゃんは寂しかったのだろう、母の膝に飛び乗ると長い間そこを動こうとしなかった。そしてこの後、チーちゃんを置いての母娘旅行には二度と行かなかった。

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いつも母と一緒だった。

母の入院

チーちゃんの分離不安症を知ってから、母と私はチーちゃんを置いて二人でいく旅行はきっぱりと諦めた。なのでその後は旅先から急いで帰宅するようなことも無かったけれど、次に大騒ぎになったのは、母が緊急入院した時だった。

その年ののクリスマス、母は風邪をこじらせて肺炎を起こした。そして高熱の為、急きょ入院することになってしまった。母の入院の知らせは直ぐに兄に届き、入院の手続き等は近くに住む兄が済ませてくれた。しかし問題はチーちゃんだった。実家から兄の家に連れてこられたものの、チーちゃんはやはり不安そうに部屋の端に座って、ご飯はおろかお水も飲まない。母の入院の翌日、困り果てた兄は私に連絡をよこした。

当時、私は福岡に住んでおり、あと2日後には年末年始の帰省をする予定で飛行機も予約済みだった。お土産は何を買おうかと呑気に考えていた私は、兄から母入院の知らせをうけ、驚いて母とチーちゃんの様子を聞いた。すると兄は母については高齢のため念のための入院なので心配はないが、チーちゃんはお伊勢参りの時と同じように飲まず食わずの状態だという。

私は会社に母の入院を口実に有給休暇を申請して、予約していた飛行機をキャンセルし、その日のうちの福岡から横浜へ戻ることにした。しかし12月26日は既に年末年始のラッシュが始まっており、飛行機は満席でキャンセル待ちをしてもその日の便に乗れる可能性は低そうだった。私は急遽博多駅へと向かい新幹線に乗ることにしたが、指定席はすべて満席の為、自由席で帰ることにした。自由席も大変な混雑でだったけれど、幸い2本見送ったところで東京行きの新幹線の自由席に座れた。

そして新幹線に乗ること5時間、朝に兄から連絡を受けた私は夜になって何とか横浜に帰ってきて兄の家に向かった。チーちゃんは私の顔を見ると一目散に走ってきて、顔をペロペロ舐めで大喜びで迎えてくれて、私の膝から降りようとしない。そこから一息ついて兄が実家まで送ってくれた時には既に夜10時を過ぎていた。

結局母は大晦日に退院してきたけれども、それまでの間、チーちゃんはご飯はしっかり食べてくれるものの、夜は自分のベッドには寝ずにずっと私の横で眠っていた。母の病院に行こうとしても必死に追いすがるので、結局母のことは兄夫婦に任せ、私はずっとチーちゃんと過ごした。

チーちゃん可愛さに、私も母も甘やかし放題だったのでチーちゃんの分離不安症については飼い主である私と母が全面的に悪い。チーちゃんの件があったので、ピリカは私と夫以外の人とも積極的に交流させ、トレーナーさんのところにお泊りトレーニングに行かせるなど、万が一の時は他人にも預かってもらえるように訓練している。

虹の橋に旅立って母と離れ離れになったチーちゃんは、ちゃんとご飯を食べているだろうか。先に虹の橋に行ったマリモと仲良く遊んでいてほしい。

 

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