まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

大好きなチーちゃんへ ~お揃いの骨壺袋~

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チーちゃんの骨壺袋。マリモと同じデザインになっている。

大好きなチーちゃんへ ~お揃いの骨壺袋~

今年の5月の終わり、私はマリモ用に小さな骨壺袋を作った。葬儀の際に骨壺袋を貰ったけれど、その袋がナイロンで安ぽく、2歳の女の子が入る骨壺袋にはそぐわないと思い、気に入ったものがなかなか見つからなかったので自分で縫うことにしたのだった。

小さなきんちゃく型の骨壺袋には、生地は優しいアイボリーカラーのオーガニックリネンを使い、前後にはお花のアップリケを付けて、開閉口にはパステルブルーのリボンを使った。

母はその骨壷袋をとても気に入っており、チーちゃんが骨になる時にも同じような袋を作って欲しいと前々から頼まれていた。

あの時はこんなにすぐにチーちゃんの骨壷袋を縫うことになるとは考えもせず、まだ先のことと思っていたけれど、僅か半年後に再び骨壺袋を縫うことになってしまった。何せ小さな骨壺袋なので生地はマリモの時に使用したもので十分に足りる。私はアップリケとリボンを買うと、再び泣きながらミシンを踏んだ。

チーちゃんは概ね健康な子だったけれど、晩年は皮膚のあちこちにおできができてボコボコになってしまっていた。そのせいでトリミングやブラッシングなどの日々のケアに母は大変苦労したものだ。特に痛みは無いようだったけれど、時々そのおできの先の方が潰れて出血していることがあり、特に殆ど動かなくなってからは褥瘡のようになってとても痛々しかった。リネンであれば風通しも良く肌触りも良い。きっとチーちゃんの骨も心地よく過ごせるだろう。

マリモの時とリボンの色やデザインを変えるべきか悩んだけれど、結局マリモと同じものを作ることにした。ただアップリケはマリモの時には表にスズラン、裏にアジサイにしたのを、チーちゃんのものは表にアジサイ、裏にクローバーにした。チーちゃんはよく赤い服を着ていたので、リボンは赤いリボンを使おうか迷ったけれど、やはり骨壺に赤は似合わない。マリモと同様に淡いブルーが一番しっくりくる気がして、やはりこれもマリモと同じパステルブルーにすることにした。

小さな骨壷袋を縫い上げると、週末に早速実家に持って行き、チーちゃんのお骨をリネンの骨壷袋に入れ替えた。マリモの時にも思ったことだが、あの元気な子たちがこんな小さな袋の中に入ってしまったなんて、なんて悲しいことなのだろう。

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2009年頃 私の手作りの服を着たチーちゃん。

 

15年間で何千回と抱っこしてきた身体は、老いて痩せ細り、最後に冷たくなった骸を抱いた時には初めて我が家にやって来た赤ちゃん時代より軽くなっていた。そして今は小さな骨壷袋の中で殆ど重さの無い骨になっている。

思えばこの2年、私はマリモの看病に夢中であまりチーちゃんと遊んでいなかった。改めてチーちゃんの写真を探しても、2017年まではたくさんあるのに、2018年以降は数えるほどしかない。私があまり実家に来られずにいるうちに、チーちゃんは年老いて旅立ってしまった。

しかもいつも大歓迎で飛びついてきたチーちゃんが、私がマリモを飼いはじめてマリモと一緒に実家に行くと、いつも一歩引いた態度で接し、私の膝の上はマリモのものと思うのか抱っこをせがむこともなかった。

それでもチーちゃんは、母が「今日はお姉ちゃんが来るよ!」とでも言おうものなら、私が来るまで玄関でウロウロそわそわし、到着するといつでも大歓迎してくれた。老化が進み、認知症になって耳も遠くなってきても、かなり症状が進むまで「お姉ちゃん」という言葉には反応して玄関に行こうとしていたらしい。

こんなに早くお別れがくるのなら、多少無理をしてでももっと会いに行ってあげればよかった。コロナ禍の中マリモが旅立って、暫くしてまた私がゆっくりチーちゃんに会いに行った時には、チーちゃんにはもう私の声は聞こえず、撫でてあげると初めて私が来たことに気付き、よろける脚で懸命に身体をこすりつけて歓迎してくれた。

私が遠方に住んでいる時も、マリモの看病でなかなか会いに行く時間がない時も、チーちゃんは私を待っていてくれた。

今はもう何もしてあげられないけされど、せめて心地よいリネンの袋の中で安らかに眠って欲しい。そしてチーちゃんには晩年にあまり会いに行けなかったお姉ちゃんのことをどうか許してほしい。そして会いに行く回数は減っていたけれど、決してチーちゃんのことを忘れていたわけでは無いとこ、大好きだったことを伝えたい。

 

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