マリモは本当にヨークシャーテリア??
ピリカはスクスクと成長し、日増しにヨークシャーテリアっぽい体格と毛色になってきた。その姿は若き日のマリモやチーちゃんに通じるものがあるけれど、体型的にはチーちゃんそっくりだ。そんなピリカの成長を見ていると、マリモは本当に純粋なヨークシャーテリアだったのかという疑問が湧いてきた。
マリモとピリカ、チーちゃんの違いの最たるものは胴体と脚の長さの比率だろう。ピリカとチーちゃんは標準的な比率だけれど、マリモは明らかに胴長短足だった。マリモが生後半年を迎えたころ、私はチーちゃんに比べてマリモの胴体が長くかなり骨太なことに気づいた。そして体はチーちゃんよりかなり大きいのに脚はチーちゃんより短く太い。全体的に骨格の太さがかなり違うのだ。
運動能力にもかなりの差があった。チーちゃんが大人しい子でマリモはお転婆だったという違いはあるにしても、そもそもの身体能力が違う。元気な頃のマリモが走るスピードはたくさんの犬を見てきたトレーナーさんでさえこれがヨーキーかと驚くほどの脚力で、トレーニング教室でも大型犬に負けないパワーで所狭しと走り回ったそうだ。
ピリカも走るのはとても速い。すばしっこいので家の中で捕まえようと思っても、夫と二人がかりでも捕まえられず、最後はおやつで釣るしかない。でもピリカの場合は運動神経の良さとすばしっこさというか、超小型犬らしい軽快な素早さなのに対し、マリモは太く頑丈な体躯からくる身体能力の高さとでもいうか、軽快なすばしっこさとはちょっと違う、もっと力強いものだった。
運動神経だけで比較すればピリカの方が上だと思うけれど、そもそもの身体能力が高い分、マリモのイタズラは私の想定を超えていることがしばしばあり、物を置く場所には注意が必要だった。
因みに我が家の家系では、以前兄夫婦の家にいたヨーキー”メイ”ちゃんと、実家のチーちゃん、マリモ、ピリカと歴代合計4匹の犬が居るけれど、個体差があるとはいえ、マリモだけどう考えても胴体と脚の比率が違うし骨格もすごく太い。
体重も小さめだったメイちゃんが2.5kg、チーちゃんが3kg、ピリカが今は2.5kgで成犬時は3~3.5kgの想定だけれども、マリモは腎臓形成不全という重い先天性疾患を患っていたにも関わらず、1歳になった頃には4.2kgもあった。ヨークシャーテリアの体重は2.5kg~3kgが平均で4kg越えはかなり大きいほうだ。しかしそれでも獣医さんから見ればちょっと痩せすぎで、骨格から考えれば4.5kg~5kgはあっていいと言われていた。
ちゃんと血統証もあったし、見た目はヨークシャーテリアだったのでちっとも気にしていなかったけれど、ピリカの成長を見るたびに今更ながらマリモは本当にヨークシャーテリアだったのかという疑問が沸々と湧いてくる。
そこで、他にヨークシャーテリアに似た犬種が無いかちょっと調べてみたら、オーストラリアン・シルキーテリアという犬種を見つけた。この犬種はヨークシャーテリアとオーストラリアンテリアを交配してつくられた犬種だそうで、胴長で太く短めの脚を持ち、平均体重は5kg前後だという。写真で見る限り見た目は短足なヨークシャーテリアといった感じだ。オーストラリアン・シルキーテリアは日本では殆ど流通しておらず、飼いたいなら個人輸入しかないらしい。
もしかしたらマリモはオーストラリアン・シルキーテリアだったのかもしれない。むしろ体格から考えればその可能性の方が高いだろう。マリモがヨークシャーテリアだったのかオーストラリアン・シルキーテリアだったのかは確かめることはできないし、何よりどちらであったとしてもマリモは私の可愛い宝物であることに変わりはない。
でも20代後半に3年ほどオーストラリアに住んでいたことがあり、今もオーストラリアが大好きな私としては、もしマリモがオーストラリア由来の犬だったとしたら、私とマリモは出会う前から特別なご縁で結ばれていたような気がして、それはそれでなんだかとても嬉しい。それにマリモが短足で歩く姿は本当に可愛いかった。
もしかしたらマリモはママの子になるためにオーストラリアから転生して日本に生まれてくれたのかな??ママは短足で歩くマリモの可愛い姿が大好きだったよ!