まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語(番外編):腎不全の子犬と暮らす ~治療法の種類~(1)

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200回を超える通院を頑張ったマリモ。2019年10月頃。

腎不全の子犬と暮らす~治療法の種類~(1)

こんにちは。

先日、腎不全の子犬と暮らす二名の方が私のこのブログにたどり着いたとコメントをくれました。お二人とも愛犬の腎不全が発覚し、情報を探している中でこのブログにたどり着いたそうです。

先天性の腎不全に関する情報って本当に無いです。私もマリモが腎不全とわかった時に随分探しましたが見つけられませんでした。私が知っているのはマリモのことだけで、それがどの程度他の犬の飼い主さんに役立つかは解りませんが、他に情報が見当たらず、このブログにたどり着いた人がいる以上、出来る限りのサポートをしていきたいと思います。

二人に頂いた質問の中で、今日は「ちかさん」からご質問頂いたマリモが受けた治療と効果について、時系列で書きたいと思います。

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週末、お寝坊パパを起こしに行ったマリモ。

腎不全発覚当初(2019年1月29日~7月頃)

マリモが先天性の腎臓形成不全による腎不全を発症していることが分かったのは2019年1月29日、避妊手術前の血液検査でのことでした。その時の腎臓関係の数値は

BUN:92

CREA:2.7

BUNは尿素窒素を表す数値で、これが高いということは腎臓がタンパク質の分解過程で排出される窒素を排出できていないということを指します。

CERA(クレアニチン)とは血清クレアニチン濃度のことで、本来腎臓でろ過されて排泄されるはずのクレアニチンがどの程度血液中に残っているかを指す数値です。腎不全の状態を知る最も一般的な数値で、腎不全のステージ(1~4)はクレアニチンの数値で分類されます。

マリモの場合、既にステージ2と3の境目ぐらいの数値だったので、とりあえず1週間集中して皮下補液を受けることになりました。

<1週間毎日点滴に通った後に受けた血液検査の結果>

BUN:91

CREA:3.0

毎日皮下補液で代謝をあげて毒素の排出を試みたにもかかわらず、マリモの腎臓の数値は全く改善されず、むしろ悪化していました。当初医師はマリモの腎臓にはまだ余力があり、1週間毎日補液をすれば数値はかなり改善されると予測していたそうです。しかしマリモの腎臓の余力は医師の想定よりもはるかに低く、CREAの数値は改善どころか悪化していました。

この結果を踏まえ、医師とマリモの治療方法について話し合い、決めたのが下記の内容です。

<通院>

・皮下補液 週に2回(なるべく3日以上間隔を空けない)

<投薬>

・クレメジン(毒素吸着剤)1日2錠(朝晩1カプセル)

漢方薬2種類

   西伯利亜(肝臓・腎臓の養生)1日2錠(朝晩1錠)

   源気(元気の養生)1日1錠

<食事>

・制限なし。

食事に制限を設けなかったのは、腎臓病用フードは通常老犬を想定して作られているため、成長期の子犬にとってはタンパク質が制限されすぎてしまい、身体の他の部分に悪影響を与える可能性がある可能性がある為、むやみに制限しない方が良いという医師の判断でした。また、私もマリモから極端に食べる楽しみを奪うことはしたくなかったこともあり、とりあえず1カ月は普通食にクレメジンを併せて服用することで様子を見ることになりました。

<効果>

皮下補液で水分を補給することで慢性的な脱水から解放され、体内の循環が上がって毒素が排出しやすくなったことと、クレメジンで毒素が吸着されるようになったことで食欲がかなり改善し、痩せすぎだった身体が標準的な体格になりました。また、マリモは眠っている間にお漏らしをしてしまっていたのですが、これはピタリと止まりました。これは成長したからなのか薬の効き目なのかは分かりませんが、本当にピタッ!と止まったので、私としてはかなりな驚きでした。

漢方薬についてはどこまで効果があったのかはよく分かりません。ですが先生が中医学(漢方)に精通した方で漢方治療の実績もあったこと、私自身が療養生活を送っていた際にも、最後に頼りになったのは漢方薬で、時間は掛かるけれど副作用もなく確実に効いたという経験があったため、漢方を取り入れることにしました。

再び食欲が落ちた時

2019年7月頃になると、一時は好調だったマリモの食欲が再び落ち始めました。血液検査をしたところ、

BUN:102

CREA:3.3

どちらの数値も悪化しており、特にBUNが100を超えているということは、慢性的に吐き気を感じているだろうとのことだったので、一時的に皮下補液の回数を週3回に増やしました。

結果としてはやはり皮下補液は効果抜群で、ほどなく食欲は復活して、約2週間で以前と同じ週2回に戻すことができました。また、その後少し食欲が落ちてきた時は、それまで朝晩それぞれ1カプセルだったクレメジンを1.5カプセル(1日3カプセル)に増やしました。クレメジンは毒素の吸着には優れているようで、増やした後は直ぐに食欲がが戻り、その後は週2回の補液とクレメジン1日3カプセル、漢方薬で11月までは元気に暮らしていました。

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パパのギターに興味津々のマリモ

尿毒症発症後(2019年11月17日以降) 

 

11月17日の朝、マリモは食事を全く食べませんでした。もともと朝はあまり食欲が無いようなので、先にお散歩に連れて行こうと外に出たところ、マリモは突然、尋常ではない量の嘔吐をしました。至急病院で検査したところ、

BUN:130以上(病院の機器では130までしか計測できません)

CREA:4.8

数値は末期と言われる第4ステージを指していました。そこでこれまでの皮下補液から静脈注射に切り替え、暫くは毎日点滴に通うことになり、腎不全にも効果があると言われているオゾン療法(オゾン腸注)を行いました(オゾン腸注は1日おき)。また治療法と言うほどではないですが、腎臓を冷やさないために犬用腹巻(遠赤外線の暖め効果あり)を着用することにしました。

<治療法の変更点と効果>

・皮下補液→30分程度の静脈注射

・オゾン腸注

・犬用腹巻着用(遠赤外線の暖め効果あり、ネット通販で購入しました)

静脈注射の効果は抜群で、マリモは10日ほどで元気を取り戻しました。ただ皮下補液はその場で針を刺すだけですが、静脈点滴の場合は点滴用の留置針をずっと刺していることになり、1週間に1回留置針を交換するとき以外は前脚に針が刺さった状態になります。医師によると痛みは無いそうで、マリモも直ぐに慣れて普通に歩いていましたが、見た目はとても痛々しいです。

オゾン療法に関しては、この時の効果ははっきりとは分かりません。でも体中からアンモニア臭を発する重度の尿毒症から10日程度で回復したのだから、それなりに効果はあったのではと思います。特に尿毒症発症後は何度も大きく体調を崩しましたが、意外と早く持ち直したのはその度にオゾン腸注を追加していたからかもしれません。ただ、最も効果が高いのはやはり点滴の回数を増やして毒素の排出を促すことであるのは間違いありません。

腹巻については腎臓に対する効果は解りませんが、腎臓だけでなくお腹全体を暖める効果があり、お腹を壊す機会は減ったように思いました。犬用の服はお腹は隠れないものが多いので、腹巻でお腹を暖めるのは、個人的には有効だったと思います。

<11月27日の血液検査>

BUN:99

CREA:3.6

10日間で測定不能だったBUNが100以下まで下がりました。そのおかげで食欲も戻り、点滴は欠かせないものの普通にお散歩するまでになりました。

かなり長くなってしまったのでいったんここで区切ります。次回の記事にに続きます。

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