腎不全の食生活
こんにちは。
今日はchocolaさんからご質問頂いたマリモの食生活について書きたいと思います。
腎不全の子犬の食生活
腎不全の子犬の食事に関しては、多くの飼い主が頭を悩ませるのではないかと思います。ただでさえ食欲のない子に美味しくないことで定評のある腎臓病の療法食を食べさせなければならないのですから。
私も散々悩みました。以下、かなり自己流ですが私がマリモに行っていた食事法をご紹介したいと思いますが、まずはその前提になっている考え方についてお話しします。
<マリモの食生活の前提>
1、医師の話では子犬の場合、成長にはタンパク質が不可欠であるため、極端にタンパク質を制限すると成長の妨げになる危険があるそうです。また、腎臓病療法食は成犬用なのでかなりタンパク質が制限されています。以上のことから、食事の基本は療法食にすることにして、トッピングでタンパク質を補っていくことになりました。(療法食:トッピングの比率は4:1まで)
2、食事制限は腎不全の進行を防ぐためには極めて重要です。ですがあまり食べる楽しみを奪ってしまってもQOLを下げることになりかねません。私も個人的には食べる楽しみを奪いすぎることには反対です。なのでマリモには大好きだったチーズやヨーグルトはごく少量は食べさせていましたし、時々はリン吸着剤(レンジアレン)をまぶすなどして普通食も食べさせていました。
3、末期に差し掛かり食欲が落ちてくると普通食にしても食べてくれないことが多くなります。食べたがるものが人間用に味付けされた食べ物やお菓子類だけになる場合もあると思いますが、そんな時は食べたがるものを優先して食べさせていました。末期になると食事をしないと一気に衰弱します。医師からも「何も食べないのが一番悪い」と言われていたので、最期の方はもう人間用の食べ物だろうが構わず与えていました。マリモの絶食の時の経験からも言えますが、本当に「食べないのが一番悪い」です。
マリモが食べていた市販のフード類
<ドライフード>
①ドクターズケア 犬用キドニーケア
これは小粒で軽く、サクサクとスナック感覚で食べてくれました。また、購入時に3袋購入すると1袋おまけでついてきます。療法食は普通のフードより値段が高いので、この1袋はとてもありがたかったです。マリモの食生活の基本はこのドライフードでした。
②ヒルズ キドニーケア
これは、サブ的に用意しておいたドライフードです。腎不全の子は気に入っているからと言って同じ食事を与え続けると直ぐに食べなくなってしまいます。なので変化をつけることが大切なのですが、私はこのヒルズのドライフードを変化をつけたい時に食べさせていました。ただあくまで私の主観ですが、ちょっと脂っぽい感じがしますし、ドクターズケアのフードより粒が大きく超小型犬には適さないかもしれません。
ドライフードは動物病院にサンプルがあることが多いと思うので、もらえる場合はなるべくたくさんのサンプルを試食させてみるといいと思います。マリモも6種類のサンプルを試食させて、食いつき具合を見ながらメインとサブのドライフードを決めました。
<缶詰>
③ヒルズ ケイディー ビーフ(チキン)&野菜入りシチュー 缶詰
この缶詰は、これが療法食かと思うほど美味しそうで、マリモも末期もかなり終わりの方に差し掛かるまで食べてくれました。病院でないと購入できないと思いますが、缶詰なのでまとめて購入しておくと重宝すると思います。
<ご参考>
また、マリモはあまり食べてくれませんでしたが、こんなのもあります。
こちらの缶詰は内容量370gと大きく、詳しい値段は覚えていませんがシチュー缶よりコスパは良かったと思います。
<リキッドタイプ>
④ロイヤルカナン 腎臓サポートリキッド
こちらは何も食べない時にシリンジで口の中に液体を入れて栄養補給をしたり、固形物は食べない時でも液体なら舐めてくれる時などに使いました。ただ強制給餌しなければならないほど食欲が無い時は、シリンジで口腔内に流し込んでも吐き出してしまうことが多く、マリモの場合はあくまでスープ感覚で食べてくれる場合にのみ重宝しました。
<トッピング>
腎不全の子は食欲にムラがあるため、食事に変化をつけることが大切です。マリモの場合はトッピングで変化をつけていましたが、そんな時に役立ったのが種類豊富なシーザーのウェットフードです。
マリモの食生活の基本はドクターズケアのドライフードにシーザーのウェットフードをトッピング(比率は4:1)して変化をつけていました。ただ、鶏のささ身はリンが多いのでどうしても食べてくれない時の奥の手として使い、普段はリンの少ない手羽先を茹でてほぐして与えることが多かったです。
手作り系の食事
食事に変化をつけるためにも手作り食は活用したいものです。でも少し勉強が必要になります。腎不全ではリンを避けなければならないので、まずは低リン食材を選ぶこと、そして必ず茹でこぼしをすることが大切です。私が参考にしてた腎臓病食の本(人間用:既に廃棄してしまったので書名は不明です。)にはリンは茹でこぼしである程度減らせるという前提になっていましたが、改めて調べると調理ではリンを減らせないという記事もありました。ですのであくまでご参考程度に読んでください。
以下が私が本以外に参考にしていたサイトです。
食材としては野菜類は基本的にリン含有量が少ないので、しっかり茹でこぼしは行っていましたが、特にリンの含有量は気にしないで使っていました。しかし、豆類(特に大豆)はリン含有量が多いので、豆類は豆腐や湯葉も含めて避けていました。ただし豆乳だけはマリモが豆乳仕立てのスープを好んだため、時々使っていました。
肉類や卵に関しては、卵は卵白のみで肉類は手羽先と鶏のひき肉が基本で、時々馬肉の缶詰や牛肉も使いましたが、牛肉を使う際には薄切り肉をさっと茹でてから細かく切り、お湯を変えてもう一度しっかり茹でて、ゆで汁は捨てていました。
鶏肉と言うとささ身がヘルシーというイメージがありますが、意外にもささ身はリン含有量が多いので、個人的には使わない方がいいと思います。手羽先が最もリン含有量が少ないので、私は基本的には手羽先を茹でて使っていました。
また、魚介類は基本的にリン含有量が多いため使いませんでしたが、鮭だけはマリモが好んで食べた為、2回茹でこぼした後、少量を使用してブロッコリやジャガイモとスープにしていました。
はっきり言って、レシピと言えるほどのものはありません・・・
いつも茹でてほぐした手羽先肉、茹でた鶏ひき肉、2回茹でこぼした牛薄切り肉、2回茹でこぼした鮭のうち2種類を冷凍して常備するようにして、小さく切って茹でこぼした芋類や葉野菜と一緒にさっと茹でてスープにしていただけです。
そうして作ったスープに味に変化をつけるために、リンが少ない鰹節から取っただし汁や、マリモが好きだった豆乳を加えてみたり、トマトを加えてトマトスープ風にしてみたりしていました。
また風味付けに、腎臓に良いと言われる亜麻仁油を一滴たらしてみたり、バターの香りが大好きだったマリモの為に無塩バターを少し加えてみたりしました。
昨日書いた記事にちかさんが書いてくださったコメントにも無塩バターのことが書いてありましたが、マリモもバターの香りが大好きでした。私はフードにかけることは思いつきませんでしたが、マリモが療法食を全く受け付けなくなってからは、小麦粉と卵白に発酵バターを多めに使ってクッキーを焼いたり、カボチャやサツマイモをすり潰して、少し無塩バターを混ぜてお団子にしておやつに食べさせたりしていました。
また、全然犬用では無かったのですが、療法食を受け付けなくなってからも、マリモは私が自分用に焼いたクッキーをとても美味しそうに食べていたので、マリモ用に卵黄を使わずにバターを多めにしたクッキーを焼いていました。
また、実際に買う機会はありませんでしたが、下記の食事セットは買ってみたいと思っていました。
帝塚山ハウンドカム
その他、食べさせるときのコツ(フードはふやかすより温めて香りを立たせた方が良く食べる等)は、以前の記事にまとめています。良かったらご参考に読んでみてください。
また何か思いついたことがあれば記事を書きますし、質問等があればいつでも記事を書きたいと思います。