
この記事は「治療の記録①」からの続きです。
治療の記録② 健康診断
乳がんが見つかったのは、毎年受けている健康診断でのことでした。これは会社の健康保険組合のもので、毎年、基本の検診に婦人科検診(乳がん、子宮頚がん)を追加して受けています。
乳がん検査については、一般的にマンモグラフィーかエコー検査のどちらかを選ぶのですが、私は毎回メニューを追加して、マンモとエコーの両方の検査を受けることにしていました。
エコー検査で腫瘤発見
検診はいつも2時間程度で終わりますが、今回は違いました。普段は直ぐに終わる乳房エコー検査がなかなか終わらず、その後の触診もなかなか名前が呼ばれず・・・。
嫌な予感を感じつつ、やっと呼ばれた触診では、医師がいつもよりかなり念入りに乳房全体のチェックを行いました。
通常であれば、触診が終われば検査終了なります。しかし今回は診察室の外で待つよう指示があり、再び室内に呼ばれた際に、エコー検査で小さな腫瘤が写っていること、癌の可能性があるので、なるべく早く精密検査を受ける必要があることを告げられました。
健康には自信があった私にとって「癌」はまさに青天の霹靂。「癌」という言葉を受け止められず動揺する私に、医師は「とにかく急いだ方が良い」と、その日のうちに全データを揃え、家の近所にある大学病院に紹介状を出してくれました。
「癌」のインパクト
後に、この時の話を友人にすると、いきなり「癌」ではなく伝え方を考えて欲しい派と、はっきり言ってもらいたい派に分かれていました。
私個人の見解としては、言ってもらって良かったと思っています。やはり「癌」という言葉の衝撃は大きく、私は介護も仕事も二の次にして精密検査を受けました。
その頃の私は札幌に行く予定がありましたし、母も体調を崩しがちだったので「腫瘤があるから早めに大きな病院で検査しましょう」ぐらいの言われ方では、そこまで大急ぎで精密検査を受けなかったと思います。
また、今回は検診の4日後には精密検査を受けることになりました。後に同じ病院に通っている人と話した限りでは、これはかなり早い展開だったようで、精密検査まで2週間程度待たされた人もいます。
たまたま空きがあったのかもしれませんが、やはり病院に電話した際に、癌の可能性があるから急ぐよう指示されたと伝えていたことが、迅速な対応に繋がったのではと思っています。

札幌に行くとき預けて大丈夫かな・・・
それに検診した医師は、これはほぼ癌で間違いないと確信があったのではないかと思います。
精密検査を受けた際に、主治医の先生も「まだ断言はできませんが、恐らく癌です。」とはっきりと言っていました。私は内心、良性腫瘍の可能性もあると思っていましたが、医師からすれば「これは癌だ」と思う所見があったのでしょう。
なので、あの時丁寧にチェックして、1cmに満たない小さな腫瘤を見つけくれた検査技師さんと、検査したその日に至急紹介状を出してくれた医師にはとても感謝しています。
マンモグラフィーとエコー検査は両方受けよう
自身が乳がんになって一番に思うのは、乳がん検診はマンモグラフィーとエコー検査の両方を毎年受けた方が良いということ。
一般に、乳がん検診はマンモグラフィーかエコー検査の選択制になっており、それぞれ得意分野が違うので、毎年交互に受けると良いと言われています。
私は40歳を過ぎてからは毎年両方受けることにしていました。そして、今回は両方受けていたことが早期発見に繋がったと思っています。
マンモグラフィーとエコー検査は得意分野が異なる
今回、乳がんを発見してくれたのはエコー検査です。同日に受けていたマンモグラフィーでは、石灰化の指摘のみで、判定は経過観察でした。
エコー検査で発見されたのは約7mm(病理検査の結果は1cm)の腫瘤でしたが、このように塊になっている場合はエコーの方が精度が高いですが、乳房全体に小さな癌が散らばっているような場合はマンモグラフィーでないと発見が難しいそうです。
私は幸い早期発見だったので、最小限の治療で済みました。乳がんは女性が最も罹りやすい癌ですから、一人でも多くの方がしっかりと検診を受けるようになることを願っています。