まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:7、マリモ、トリミングを受ける

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初めてのトリミングを受けたマリモ。だいぶお姉さん顔になった。

7、マリモ、トリミングを受ける

 

狂犬病の予防注射が終わり、お散歩デビューも果たしたマリモは、初めてのトリミングを受けることになった。幸い家から5分程度の場所にとトリミングサロンがあり、10日後に予約が取れた。

トリミング前のマリモは、ヨークシャーテリアの赤ちゃんらしく、真っ黒な毛でおおわれているが、被毛の根のあたりはグレーに変色していた。多分トリミングをしたらこの赤ちゃんの黒毛はすべてなくなり、すっかりお姉さん顔になることだろう。我が家にやってきた時からマリモはブリーダーさんが結ったチョンチョリンを額のあたりにしていた。その髪型はマリモに良く似合っており、いかにも女の子という感じがして私は気に入っていた。

トリミングの際に、手入れしやすいようこのチョンチョリンを切って全体を揃えてしまおうかとも思ったけれど、「それではマリモっぽくなくなっちゃうよ。」という夫の意見もあり、チョンチョリンは切らずに残すことになったた。

トリミングはシャンプー、カット、爪切り、肛門腺絞り、耳掃除がセットになっていて、料金は5,500円だった。予約時間にお店に連れていき、トリミングが終了するとお店から電話が入るので、またお店までお迎えに行くシステムになっている。初回は全てセットになっているコースを選んだけれど、シャンプーや爪切り、肛門腺絞りなどは単品でも受けられるので、何かと使い勝手が良かった。

トリミングの日、お店に連れていかれたマリモは私に抱っこされて興味津々でお店の中を見回していた。しかしトリマーさんに手渡され、私がお店を出ようとするとびっくりしたように小さく「クゥーン・・」と鳴いた。

あとからトリマーさんに聞いたところによると、いつも家では元気溌剌のおてんば娘は、トリマーさんには全く無抵抗で「借りてきた猫」ならぬ「借りてきたマリモ」と化しおとなしく処置をさせていたそうだ。

マリモを預けた後、私は友人とランチの約束をしていたので、お迎えは夫に任せた。夫が電話を受けてお迎えに行くと、マリモは赤ちゃんの黒毛をすっきりカットした涼し気な姿に変身しており、夫がお店に入ってきたことに気づくと、尻尾が切れるほどブンブン振って、「パパ~!!!」と叫ぶように珍しく大きめの声で吠え、柵を飛び越えんばかりに飛び跳ねていたそうだ。

我が家に来てから初めて別の場所に預けられてしまったので、どうなることかとマリモなりに緊張していたのかもしれない。シャンプーや被毛カットなど、初めてのことばかりで疲れてもいたのだろう。夫が家に連れて帰ってくると、マリモはあっと言う間に寝てしまった。そして残してもらったチョンチョリンは、全体にグレー色になった中に黒毛を残したまま頭に結われていた。

そして、このチョンチョリンはその後もずっと維持され、マリモのトレードマークとなった。普段のお散歩で挨拶を交わす人たちは、夫がお散歩させているときでも「奥さんが連れてなくても、マリモちゃんは頭を見ればわかる。」とよく言っていた。そしてマリモのチョンチョリンを誰より気に入っていた夫は、マリモに「チョンチョ・リンゾウ」というふざけた第二の名前を付けた。

夫が札幌出身なので、私達は年に最低1回は札幌の義実家に帰省する。札幌の街で私のお気に入りのお散歩コースに北海道大学があり、ここには新渡戸稲造の胸像がある。マリモを飼った後で北大に行った際に、夫は新渡戸稲造の胸像の横を指さして「来年あたりここにチョンチョ・リンゾウの胸像がたつ。」と言っていた。

マリモは生涯ずっとこのトリミングサロンに通うことになったが、ここのトリマーさんにもとても良くしてもらった。病気のある犬のトリミングは受け付けていないサロンもある中、マリモが重度の腎不全であると分かってからも、変わらずケアを受けさせてくれて、点滴続きの生活でマリモの毛質が変わってきたり、針を刺された場所を触られるのを嫌がって抵抗したりしても、いつもきれいに仕上げてくれた。

マリモの闘病生活を支えるのは決して楽なことでは無かった。でも全てが終わった今思うのは、マリモとの生活は、本当にたくさんの人たちの善意に支えられていたのだということだ。改めて皆さんには心からの感謝を送りたい。

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしております。

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