まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:29、コロナ禍の日々、つかの間の平穏(1)~犬の腎不全末期・最後の穏やかな日々~

 

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コロナ禍の中、ご機嫌で日向ぼっこするマリモ。

29、コロナ禍の日々、つかの間の平穏(1)~犬の腎不全末期・最後の穏やかな日々~

 3月に奇跡の復活を遂げたマリモは、4月になっても体調は安定していた。そして新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、4月1日より夫が在宅勤務になり、非常事態宣言後の4月8日より私が自宅待機となった。

夫と違って私はパートタムの派遣社員なので、本来であれば休業補償の対象外となる。当然派遣会社からは補償は無いと連絡があったが、私の雇用主は私に給料の6割を支払うと言ってくれた。

マリモの医療費が嵩む中で給料が減るのは痛い。しかし、これでマリモを置いて仕事に行かなくてもいいと思うと、多少の収入減はいいだろうという気持ちになった。

目覚まし役になったマリモ

夫も私も出勤が亡くなると我が家の一日の流れは激変した。それまでは私が5時半ごろに起きてマリモをケージから出し、夫のお弁当を作ったらマリモに朝食を取らせる。そして私も朝食を取り、夫が6時半過ぎに出勤する夫をマリモと一緒に見送る。そして私も仕事がある日はマリモにおやつを用意して8時半ごろに家を出る。

それが私は6時過ぎまで起きなくなったため、目を覚ましたマリモが寝室まで私達を起こしにくると、私か主人のどちらかが起きていき、その後はマリモにご飯と薬を摂らせた後で、私と夫はのんびり軽めの朝食をとるように変わった。

マリモはすっかり目覚まし係になって、毎朝張り切って私達を起こしに来るようになった。

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プロ・甘えニスト

 プロ・甘えニスト

マリモはいつもなら朝から晩まで帰ってこない主人が一日中家にいて、私も買い物以外は家にいるのが嬉しかったのか、とにかくご機嫌で毎日机に向かう主人の膝の上に載っていた。

元々マリモはどちらかと言えばパパっ子だけれど、二人とも家にいるときは、甘えたりおやつをねだるのはパパ、ご飯などの日常のケアはママと使い分けている節があった。

そしてパパが毎日家にいる状況では、もうパパに一日中べったりと甘えている。そんなマリモを夫は「可愛さだけで人を動かす、プロ・甘えニスト」と呼んで、時間の許す限り遊んだり散歩に連れて行ったりしていた。

最後の血液検査

この頃のマリモは、体調は安定しているものの、食事をあげるときに見える口の中が急に白っぽくなってきたので、気になった私は病院で血液検査をお願いした。

<血液検査> 2020年4月8日

BUN 130以上

CRE 8.0

HCT 19.6

結果は重篤な貧血状態だった。犬のHCT(貧血の指数)は通常37~55である。マリモはその最低線の半分しかない。その他の貧血に関わる数値も、赤血球数あたりのヘモグロビン濃度と量は何とか標準地内に留まっているものの、いかんせん赤血球自体が圧倒的に足りていない。

これまで腎不全にもかかわらずどこの臓器が補ってくれているのかマリモの赤血球はしっかり作られてきていた。しかしもうそれも限界を超えてしまったようだ。

医師に再びマリモは今腎不全末期のどの辺りにいるのかを尋ねた。医師は暫く沈黙した後、「どの辺りと言っても難しいですが、とにかく末期のもう本当に終わりの方にいると思います。」と言った。

確かに検査結果を見る限り、BUNは計測できる最高値の130振り切ったまま全く戻らず、CREも8.0を超えた。そして見た目にも粘膜が白っぽくなるほどに貧血が進んでいる。3月に奇跡の復活を遂げて、今も短い距離とはいえ朝晩公園を散歩しているとはいえ、マリモの症状は止まることなく確実に悪化していた。

医師にもう一度ホルモン注射を提案されるが、ここまで貧血が進んでいると効果は定かではないと言うことで、私は提案を断ることにした。効果が不明なことで、マリモのボロボロの血管に注射を打ちたくはない。

マリモは苦痛を伝えることができないから私が想像するしかないが、そこまで血管が固くなりボロボロの状態であれば、何か苦痛を感じているかもしれない。そして血管が固くなり、日頃の点滴でさえなかなか液が入っていかなくなってきているマリモにホルモン注射をしても、その液がしっかり入ってくれるとも思えない。もう痛い思いはさせたくない。

そして結果的に、これがマリモの生前最後の血液検査となった。 

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしてあります。

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