まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:28、2度目の桜 ~腎不全・余命宣告後の奇跡~

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3月28日、2度目のお花見をしたマリモ

28、2度目の桜 ~腎不全・余命宣告後の奇跡~

その後もマリモは激しい偏食ながらも乳酸菌スティックやパンを主食に回復していき、朝晩公園をお散歩するまでに回復していった。家の中でも以前のように散らかして歩くことはしないものの、尻尾をピンと上げて歩き回り、時々私が靴下を脱いでその辺に置いておくと、得意そうに咥えて逃げ回る。

以前に比べればやはり動きにキレがなく、寝ている時間が多いとはいえ、公園でもスタスタと歩き、その歩調はほんの数日前まで絶食で死にかけていた子には到底見えなかった。

激しい下痢症状

しかし食欲が回復して暫くするとマリモは酷い下痢になった。食事はそれなりに取っていたけれど、マリモのお腹はほぼ一日中キュルキュルと嫌な音を立てて、お腹が痛いのか元気が無い。一日に何度も緩い便を繰り返し、しかもトイレシートの上ではなく、マリモの脚の滑り止めに敷いてあったマットや、台所マットなどに排泄してしまっていた。

病院で下痢止めを処方してもらい飲ませても全く治まらず、むしろ悪化していき、酷いときは一晩に2~3回の排便を繰り返している。朝起きていくと数か所に軟便が散らばり、その上をマリモが歩いてしまった時などは、足の裏に排泄物がついて辺りに広がってしまっていた。

私も夫もこれには困り果て、マリモのケージの周りにマットレス等でバリケードを作ることにした。ケージの扉を閉めてしまえば簡単だけれど、それだとマリモはケージの中で排泄物と一晩過ごすことになり、しかも軟便を同じトイレで何度も繰り返すことになる。それではあんまり可哀想だ。

私と夫は考えた末に、マリモのケージがある部分の周囲1~2mを使っていないマットレスで区切り、リビングの中心部分や台所には行かれないようにした。そして区切った部分には新聞紙とトイレシートを敷き詰めた。

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奇跡的な回復をとげ、下痢も止まって元気を取り戻したマリモ。

夫におやつをねだっている。

下痢止めと温熱療法

医師に相談すると、医師は腎不全の下痢を止めるのは難しいと言い、試しに今までとは違う下痢止めと、お腹を温める温熱療法を施術してくれた。

するとこの新しい下痢止めが効いたのか、温熱療法が功を奏したのか、酷くなる一方だったマリモの下痢が、少しずつ快方に向かってきた。それからは毎日の投薬に新しい下痢止めを追加し、点滴に通うたびに温熱療法を受けて、約1週間後にはマリモの下痢はほぼ完全に治まってくれた。

腎不全の末期には嘔吐や下痢の症状が激しくなる。嘔吐は点滴でかなり抑えることができるけれど、下痢を止めるのは難しいのだそうだ。マリモの場合は温熱療法が良く効いてくれて本当に助かった。

2度目の桜

そして3月も下旬に差し掛かった3月28日のお昼、桜が満開になった近所の公園に私と夫とマリモは連れ立ってお花見に出かけた。3月から一気に広がりつつあった新型コロナウィルスの影響か、例年よりも人出が少ない公園は桜が見事に満開で、あちこちに犬連れの人も歩いていた。

私は3月上旬に医師から「桜の季節までは持たないかもしれない」と宣告されたことを思い出しながら桜並木の下を歩いた。マリモは夫にリードを引かれながら軽快な足取りで歩いている。

余命宣告を受けたときは家の中でさえ殆ど歩かず、一日中ぐったりしていたのが嘘のようだ。満開の桜に私達がウキウキしているせいか、マリモもいつもよりご機嫌な様子で歩いている。

一度はこの子と今年の桜を見ることはできないのかと悲観したこともあったけれど、マリモは私と一緒に桜並木を歩いてくれた。一緒に2度目の春を迎え、2度目の桜を見ることができたのは、マリモの医師も驚く奇跡の復活のおかげだった。

この子は何という生命力の持ち主なのだろう。桜の木の下を歩きながら、私はマスクで顔を隠しつつ涙していた。

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしてあります。

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