まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:29、コロナ禍の日々、つかの間の平穏(2)~犬の腎不全末期・最後の穏やかな日々~

f:id:Marimotan:20200726151708j:plain

私と夫が毎日在宅で、ご機嫌なマリモ。

29、コロナ禍の日々、つかの間の平穏(2)~犬の腎不全末期・最後の穏やかな日々~

※今回は前回の記事の続きです。

marimotan.hatenablog.com

絶望的な検査結果を尻目に、マリモは体調も安定して夫に甘え放題の毎日を送っていた。貧血が進んでいるので心配ではあったけれど、公園に行けば特にフラつくこともなく、尻尾をフリフリしながら歩いている。

公園内にある緩やかな階段も駆け足で軽快に上ってきた。しかし食欲だけはほんの少しずつ、確実に細くなっていった。良く食べる日もあるけれど、それまでは大好きだったリンゴもあまり食べなくなり、乳酸菌スティックさえ食べない日もあった。主食となったのはパン類で、あとは私が自分用に焼いたクッキーをよく食べていた。

私は油分が気になったけれど、医師が言うにはマーガリンやショートニングがたっぷり入った市販のお菓子はあまり与えない方がいいけれど、バターやオリーブオイルなど天然の素材で手作りしたものであれば、それほど問題はないそうだった。それよりも何も食べるものが無いほうがよほど悪いと何度も強調していた。

この頃マリモは2月末の絶食時に3kgちょうどまで減少させてしまった体重を3.5kg近くまで戻していた。腎不全末期の子が体重を戻すのは本当に稀なことらしく、医師は測定しながら驚き、この状態を少しでも維持するよう変に食べる内容を気にせず、お腹を壊さない程度に食べさせ続けるよう私に指示した。

f:id:Marimotan:20200726151639j:plain

パパの弾き語りを聞くマリモ。

マリモ用クッキーのバターと食料を求めて徘徊する日々

その話を聞いて私は、コロナの影響でバター不足、小麦粉不足の中、数軒のスーパーマーケットを梯子してバターと小麦粉を購入し、マリモ用にクッキーを焼いて試しにパンも焼いてみた。

残念ながらパンの方はあまりお気に召さなかったようでほんの一口しか食べてくれなかったけれど、発酵バターが香ばしいクッキーは大喜びで、直径3cm程度のものを2枚ぐらいはペロリと平らげてくれた。

この頃の食事はもう毎日が試行錯誤の連続で、毎日のようにスーパーやベーカリーを徘徊し、マリモが少しでも食べそうなものを見つけてきては食べさせてみる日々だった。

腎不全の子は吐き気の所為で食欲が安定せず、同じ食事を2回も3回も続けて食べさせることができない。たとえ好物であっても続けて与えずに、毎回変化をつけることが重要だった。

また、直接マリモ用のご飯皿にのせても食べてくれない場合でも、私が食べていると食べてくれることもあった。おかげで私の食事のたびにマリモが足元に来るようになってしまい、私は全く落ち着いて食事を取れなくなってしまったけれど、それでもマリモが食指を動かしてくれるならそれでよかった。

2回目の誕生日が見えてきた 

こうして4月の間は、マリモは日々微かに食が細くなっていくのを感じるものの体調は安定していた。そして在宅時間が極端に多くなった私と夫に甘え、晴れている日の朝晩は公園をお散歩して、穏やかな日々が続いていた。マリモの2回目の誕生日は5月2日だ。この調子で行けば3月には絶望的と思われていた2回目のお誕生日も迎えられるかもしれない。4月の中旬になると、私はマリモが2歳を迎えられると確信するようになっていた。

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしてあります。

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村