まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:24、つかの間の平穏 ~犬の腎不全末期・静脈点滴と皮下補液~

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お散歩の後、疲れてすやすや眠るマリモ

24、つかの間の平穏 ~犬の腎不全末期・静脈点滴と皮下補液~

誤嚥性肺炎から回復したマリモは、2月に入る頃にはかなり体調が安定した状態が続いていた。そこで、ずっと点滴し続けていた静脈を休ませるためにも、一回点滴を中止して皮下補液に戻してみることにした。マリモにしても3か月近く続いた点滴生活で、ほぼ毎日つけていた管が外れれば快適だろう。また前回のように体調を崩す調ならまた点滴に戻すしかないけれど、できるだけ血管を休ませてあげたい。

医師の話では、普通は1ヶ月程度点滴を続ければある程度数値は改善されて落ち着いてくるので、マリモのように3か月もぶっ続けで点滴をする子はいないということだった。やはりマリモの場合は通常の腎不全より重篤なのだろう。マリモは大嫌いな点滴を本当によく頑張ってくれていた。

通常の老犬の腎不全の場合は、暫く点滴をしていると体調が安定してくるようで、大概は1カ月程度で一度血管を休ませるのだけれど、マリモは前回点滴を外した直後から嘔吐してしまったため、約3か月間もの間、点滴の管を刺し続ける生活になってしまった。

マリモは腎不全に順応しながら成長したせいか、数値が悪化しても比較的元気に過ごしていたとはいえ、もともとの腎臓が最初から形成不全の為、あまり治療の効果が上がらず、他の犬のように体調が安定することは無い。それでも何とか皮下補液に戻せるのであれば、わずかな間でも脚に管のない生活をさせてあげたい。

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膝の上に乗って甘えるマリモ

3カ月ぶりの皮下補液のみの生活

3カ月ぶりに管が外れたマリモはやはり嬉しいのだろうか、2月の寒さにもかかわらず張り切ってお散歩に出かけ、以前より短い距離になったものの朝晩元気に歩いた。

食欲も比較的安定していて、かなり偏食気味ではあるもののトッピングを多めにすれば療法食も食べる。11月に体調を崩して以来、基本的にはトッピングをした療法食を食べさせる努力はするけれど、あまり療法食にはこだわらずマリモが食べたがるものをあげた。

時々これで大丈夫かと思うこともあったけれど、医師はいつも「食べないのか一番体に悪い。正しい食事よりも、とにかく何でもいいから食べさせることが大切。」と言っていた。

医師によっては厳しく食事を制限する場合もあるみたいだけれど、マリモを診察している医師は、もちろんある程度の食事制限は必要とはいえ、食べる楽しみを奪いすぎることにはしない人だ。特にマリモの場合は食べなくなって体重が落ちてくることの方がよほど怖いと言って、あまり食事に関してはうるさくなかった。

3カ月ぶりの皮下補液だけの通院の日々、私はほんの少し時間に余裕をもって生活することができた。静脈点滴の場合、点滴自体に1時間以上かかるため、病院の受付時間の1時間前までには病院に入っていないといけない。

しかし皮下補液なら15分程度なので、ちょっと買い物して帰る程度の余裕はある。マリモも病院に連れて行かれてもすぐに帰れるからか、概ね元気でご機嫌な日々が続いた。

2月は寒いので私が仕事でない日はお昼頃の暖かい時間帯に、仕事の日は帰宅後にマリモと私はお散歩に出かけた。仕事のある日は5時に帰宅すると既に外は暗い。それでもマリモは腹巻とダウンジャケットで完全防備して15分程度は毎日お散歩に出た。

腹巻き姿で尻尾を元気よく降り歩くマリモの姿を見ると、この3か月の通院がやっと報われたように感じた。今度こそ血管をしっかり休ませられるように体調が安定した状態が続いてほしい。しかしこの短い穏やかな時間は、その後来る壮絶な闘病の前のほんのつかの間の休憩時間だった。

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしてあります。

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