まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:6、マリモお散歩デビュー

f:id:Marimotan:20200721143437j:plain

近所の公園で初めてのお散歩。

6、マリモお散歩デビュー

 

9月の下旬、ワクチン接種から約1か月後に狂犬病の予防接種も終わって、マリモはお散歩デビューを果たした。獣医さんは、お散歩をし始めれば運動量も増えて食欲も出てくるのではと言っていたので、私はこれで食事の悩みから解放されるかもしれないと、かなり期待していた。マリモはヨーキーにしてはとても頑丈な足腰をしているので、多少長く歩かせても全然問題ないそうだ。

お散歩デビュー前、マリモが我が家にやってきた頃から、外の空気や音に慣れさせるためにキャリーバッグに入れて連れまわっていたせいか、マリモは外に出ること自体は全く怖がらなかった。しかし初めて触れるアスファルトの感触に驚いて、怖がって全く歩こうとしない。仕方なく近所の公園まで抱っこしていき、公園の芝生の上に降ろしてみた。しかし今度は芝生の感触に怖がってしまい、歩くどころではない。

仕方なく、取りあえず抱っこしたままベンチに座って公園の空気にならし、もう一度、私も芝生の上に一緒に座って、マリモを膝から降ろしてみた。しかしやはり怖がって抱っこをせがみ、歩こうとはしない。結局お散歩デビュー初日は30分ぐらい公園にいたものの、ほんの数歩しか歩かずに帰ってくることになった。

その後もマリモはアスファルトや芝生、土の感触も怖がるのでお散歩に慣れさせるのには2週間程度も掛かった。マリモは雨の音や雷鳴、稲妻には全く無頓着で激しい雷雨の時でも普通にお昼寝してしまうのに、肉球に触れる足元の感触にはひどく敏感だった。f:id:Marimotan:20200721143730j:plain

公園の植物に興味津々なマリモ

マリモを通じて近所に知り合いができた

それでも10日ぐらいすると、マリモは少しずつ色々な道の感触にも慣れてきて徐々にお散歩を楽しみ始め、ご近所をトコトコと楽しそうに歩いた。生後3~4ヶ月ごろは仔犬にとって大切な社会化期だ。私は公園を散歩しているワンちゃんと飼い主を見つけると積極的に話しかけて、可能な限りマリモを他の様々な犬種のワンちゃんに挨拶させた。

おかげで友人と言うほどでもないが、ご近所に挨拶や立ち話をする人ができた。マリモを飼い始めてからの大きな変化の一つが、ご近所に知り合いができたことだった。都会に暮らしていると、あまりご近所の人と知り合う機会が無い。私の場合はマリモの社会化期を通じて、近所の人たちと初めて会話を交わすようになった。犬がいることで自然に初対面の人達の輪に入ることもできたし、仔犬のマリモにたくさんの人が声をかけてくれた。

こうした飼い主同士の挨拶や軽いお付き合いを煩わしいと感じる人もいるだろう。実際、何度ご挨拶してもあまり返してくれない飼い主さんもいたが、多くの人はとてもフレンドリーに接してくれた。そしてマリモの闘病生活において、同じ愛犬家の飼い主さんたちは悲嘆にくれる私を励ましてくれたり、獣医さんに関する有益な情報をくれたり何かと力になってくれた。

 マリモは子供のいない私たち夫婦にとっては一人娘のようなもので、飼い始めてからは居ない生活は考えられないほど愛おしい存在だった。特にマリモの腎不全が発覚してからの日々は、マリモに何かあるごとに私は一喜一憂し、時に病院で泣き出してしまうこともあるなど、気の休まることが無かった。

そんな時、たとえ挨拶を交わす程度の人であっても、同じ愛犬家の人たちはそんな私の思いを受け止め、心情に精一杯寄り添ってくれた。私はその優しさにどれほど助けられたかわからない。

公園でたまに会う程度の付き合いにもかかわらず、マリモのことを何かと気にかけて、いつもマリモの様子を聞いてくれた女性、病院でたまたま居あわせただけなのに、泣いている私の背中をずっとさすってくれたおばあさん、「辛いわねぇ。でも頑張ってね。」といつも励ましてくれた女性、その気遣いや温もりを私は今も覚えている。

また、獣医さんに関する情報はこうしたお散歩仲間からの情報が一番参考になった。結局通院のことを考えると一番近くにある獣医さんに通うことにしたが、その獣医さんが大変評判のいい丁寧に診察してくれる人であることも公園での立ち話で知り、私は安心してマリモを通わせることができた。

他にも少し離れた場所にあるけれど医療費が比較的安い病院や、何かあった時に時間外でも対応してくれる病院についてなど、良いこと悪いことの両面で、インターネットでは調べることができない貴重な情報をもたらしてくれたのは、こうしてお散歩中に知り合った人だった。

今はもうマリモが居なくなってしまい、お散歩仲間の人たちに会うことも殆どないけれど、私に色々な情報を提供し、何かと励ましてくれた皆さんには今も感謝しかない。

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしております。

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村