まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:5、痩せすぎな仔犬 〜元気いっぱいの日々にも現れていた腎不全の影響〜

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我が家にも慣れ、次第に表情豊かになっていったマリモ

5、痩せすぎな仔犬

 

マリモは成長期だというのに食が細いままで、食事には私は毎日頭を抱えていた。ドッグフードの袋に書いてある目安量の半分食べさせるだけで30分はかかり、完食することは無い。犬用のふりかけをかけてみたるなど工夫しても、半分以上を食べさせることがどうしてもできずにいた。

しかし、その一方で我が家に慣れてきたマリモは毎日を元気いっぱいに過ごし、食事の問題以外は健康そのものだった。まだ外には出せないものの、家の中での活動範囲は驚くほどの速さで広がっていき、最初はケージの周りを歩く程度だったのが、日々家の中の探検に励み気が付けば寝室の方まで来ている。

目を離すとゴミ箱をひっくり返すので、リビングのゴミ箱をケージの上にのせてしまうと、わざわざ他の部屋まで出かけて行ってはゴミ箱をひっくり返し、中のゴミを咥えて得意そうな顔で私に見せびらかした。

洗濯物も大好きで、夫がクローゼットの扉を開けたまま出かけてしまった時など、器用に引き出しを開けて中から夫のパンツや靴下を取り出しては、得意満面でリビングを走り回る。

走る小さな黒い毛玉のようなマリモは、いたずらっ子で油断も隙もあったものではなかったけれど、見ているだけで幸せな気分になれる可愛らしさに、私も夫もすっかり骨抜きにされてしまっていた。マリモが小さな体と短い脚で精力的に活動範囲を広げていく姿を、夫は「進撃のマリモ」と呼んで面白がって見ていた。

マリモがやってきて一週間を過ぎたころ、近所の動物病院にワクチンを打ちに行った。我が家から3分ほどの距離にある動物病院の医師は、まだ30代の優しそうな人で、注射の前にマリモの体重を測り、全体を触診して細かくチェックしてくれた。当時のマリモの体重は1.8kg、3か月の赤ちゃんにしては結構重い。しかし医師はマリモの骨格の大きさから考えれば、ちょっと痩せすぎだと言った。

マリモの食の細さが心配だったとはいえ、当時のマリモのお腹は「ポンポコリン腹」という表現がぴったりなお腹だったこともあり、私は痩せすぎとまでは思っていなかった。しかし医師に指摘されると、やはりあの食事量ではまともに成長してくれないのではと一気に不安になる。思い切ってマリモの食の細さについて医師に相談すると、医師はドッグフードがあっていないにかもしれないと言って、数種類のドッグフードのサンプルをくれた。

そしてワクチン接種が無事に終わると家に戻り、マリモに早速サンプルにもらったフードをあげてみたが、やはりあまり関心を示さない。一応関心を示して臭いをかぎにても、鼻を近づけてクンクンやるだけで、決して口にしようとしない。やはりマリモが口にするのは、おやつのサツマイモやカボチャなど、炭水化物ばかりで成長に不可欠なたんぱく質を含む食べ物にあまり興味を示さなかった。

その後もマリモがちっともドッグフードに興味を示さない日々は続き、毎日繰り返される朝昼晩の三回の食事は、徐々に私のストレスとなっていった。私は食事の問題を解決しないとマリモは無事に成犬まで育たないのではないかと、日に日に不安を募らせていた。

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ふっくらお腹のマリモ。しかし病院では骨格の割に痩せすぎだと指摘を受けていた。

お漏らしが治らない

そして、この頃私にはもう一つ気になっていることがあった。マリモは物覚えがよく、ほんの一週間程度のトレーニングでトイレは覚えてくれた。しかし、眠っている間にほぼ必ずオシッコを漏らしてしまうのだ。朝ベッドを見ると、必ず半分程度が濡れている。毎朝マリモの下半身を洗い、ベッドをもう一つ買い足して毎日洗濯していたけれど、お昼寝でもお漏らしするので到底追いつかない。仕方なく暫くベッドは使わずに、吸水性に優れたバスタオルを何枚か折って重ねてベッド代わりにしていた。

このお漏らしも、今にして思えば腎不全の兆候の一つだったのだろう。腎不全で脱水を起こしやすいマリモは、とにかくお水を飲む量が多かった。

腎不全の兆候の一つに多飲多尿がある。マリモは完全に多飲だったので、薄い尿が大量に出ていた。眠っている間も尿が大量に溜まるために、無意識のうちに漏らしてしまっていたのかもしれない。私は実家で母が飼っていた犬に比べてマリモの尿が臭わないこと、量が多いことを少し不思議に思っていたけれど、実家の犬はもう13歳の老犬だったから齢が違いすぎたし、マリモはまだ赤ちゃんだからあまり尿が臭わないのかと思い、さほど気にもしていなかった。

腎不全は最初の頃は何も症状が無いが、第1期(初期)から第4期(末期)までのステージのうち、第3期頃になると多飲多尿、食欲不振などの症状が現れる。マリモは先天性の腎臓形成不全だったので、生後数か月で既に第3期に見られる症状が出ていた。

食欲不振は腎不全以外の病気や、ストレスでも見られる兆候だ。しかし多飲多尿については明らかに腎臓の異常からくるものなので、もし愛犬のお水を飲む量が体格に対して多すぎると感じるほどに増えたり、おしっこが妙に薄く、あまり臭わなくなったりしてきたら、迷わず血液検査を受けることをお勧めしたい。 

 ※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしております。

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