まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:4、最初の違和感 〜現れていた腎不全の兆候〜

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リビングを所狭しと遊びまわるマリモ

4、最初の違和感

 

マリモと暮らし始めた当初、毎日元気いっぱいに動き回るマリモを見て、私はマリモとの楽しい暮らしばかりを想像していた。最初は大変だろうけれど、ある程度大きくなれば色々な所にも連れていかれるし、長時間でなければお留守番もできるようになるだろう。食事が朝晩の2回になって、トイレの躾が終わればだいぶ楽になる。マリモは1週間でトイレを覚え、トイレの躾は全く問題なく終わった。しかし食事に関しては最初から問題だらけだった。

ブリーダーさんに指定された幼犬用のドッグフードを指示通りにあげているのに全く食べようとしない。お腹がすいていないのかと少し時間をずらしてみても、やはり全く食べる気配が無い。それでも育ち盛りの子の食事を抜くわけにはいかないと思い、毎回30分以上もかけて懸命に食べさせた。

困り果ててブリーダーさんに電話してみると、環境が変わって緊張しているせいだから気にする必要はないと言う。しかし、育ち盛りの赤ちゃんが全く食事を取ろうとしないなんてあるのだろうかと私は不安になった。しかもマリモはちっとも食事をしようとしないのに、お水だけは勢いよく飲む。夫もマリモの飲水量とその勢いには驚いたようで、「すごい飲みっぷりだなぁ」と呆れるように見ていた。

今にして思えば、この飲水量の多さは、マリモが私達に見せた腎不全の最初の症状だった。マリモは私達夫婦が初めて迎えたペットだった為、その頃の私達には仔犬が飲む水の量について全く知識が無く、仔犬は随分お水を飲むんだなと思う程度で、この飲水量の異常さに全く気づいていなかった。今ならば何かの内臓疾患を疑って直ぐにでも病院で血液検査を受けさせるだろう。

とはいえ、そんな私達でも強い違和感を持つほどに、マリモはドッグフードに興味を示さなかった。それでも病院で検査して貰おうと思わなかったのは、引き渡し時にブリーダーから渡された診断書には健康状態は「良好」となっていたことと、マリモは食事をなかなか食べようとしないこと以外はとても順調に育っており、元気いっぱいな仔犬だったからだ。

家の中を元気に走り回るマリモを見ていると、食事の問題は健康の問題と言うより躾の問題なのだと思い、私は食事の時間は大変だけれども、しっかり躾て行けば治るものと楽観視していた。しかし後にそれは大きな誤りだったと思い知らされることになる。

マリモはご飯に全く興味を示さないのとは対照的に、おやつ用に茹でたサツマイモやかぼちゃ、バナナやリンゴは喜んで食べていた。だから私はマリモがご飯を食べないのは唯の好き嫌いと思い、ドッグフードを変えてみたり、食べないならそのまま放置したりして様子をみてみた。

しかしフードを変えてみても、マリモはあまり食事に関心を示さず、色々とトッピングをするなど工夫をしてみても、規定量の半分を食べさせるのに毎回30分以上はかかる状態が続いていた。

腎不全の最初の兆候

腎不全の症状を知った今は、多飲多尿と食欲不振が見られたら腎不全を真っ先に疑い、血液検査を受けさせるだろう。しかしこの頃マリモは健康な仔犬だと信じて疑わなかった私達は、ブリーダーに「神経質すぎる。もっと大らかに構えていないと犬が神経質な子に育つ。」と言われれば、次第に私が気にしすぎなのかと思うようになっていった。そして仔犬の成長過程にはこのようなこともあるのかもしれない、きっと幼いうちだけだと、自分の違和感と不安に無理に蓋をしてしまった。

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ケージの中でも「ヘソ天

しかし、結果的に私の違和感は当たっており、決して神経質すぎたのではなかった。やはり少しでも違和感を覚えることがあったら、誰に何と言われようと、自分の安心の為にも絶対に納得いくまで検査をするべきだったのだ。犬の医療は健康保険が無いから一度の検査で概ね一万円以上はかかる。でも新しく犬をお迎えしたら、最低でも血液検査だけはしておくことを私は強くお勧めしたい。

腎不全が判明した後にブリーダーに電話をした際、私は譲渡時の健康診断について尋ねた。彼女の返答は、譲渡の際の健康診断では血液検査は必須ではないというものだった。彼女の理屈では、必須ではない以上、先天性の腎不全のように血液検査をしないと分からない内臓疾患のある仔犬を譲渡してしまったとしても、ブリーダーには何ら責任ではないと言う。

マリモの飲水量や食欲の異常に気付いていたのではと抗議する私に全く取り合おうとせず、むしろ異常を感じていたのに放置した私に責任があるかのような言いようだった。そんな彼女に私は今でも怒りを覚える。

とはいえ、誰の責任であるかはともかく、多くの先天性の疾病は早期発見で進行を遅らせることができる。そして早期発見はブリーダーにしろ、飼い主にしろ、その時その犬の命を預かっている人間に掛かっている。

腎不全に関しては、症状が出てくるのは第1~4期まであるうちの第3期が近づいている頃なので、早期発見には日ごろから定期的に健康診断を受けさせることが必須だろう。万一食欲不振や多飲の傾向が見られるようになった場合は、迷わず動物医療機関を受診してほしい。

犬の飲水量

因みに犬の飲水量の目安は体重×50cc程度だそうだ。インターネットで調べていると、体重×100ccと書いてあるものもあるけれど、マリモが掛かっていた先生は体重×100ccは異常だと言っていたし、私もマリモが3.5kgぐらいの時に一日に300cc近く飲むのを見て、明らかに異常だと感じた。

夏は犬でも飲水量が多めになったとしても、やはり体重×50ccを超えた場合には念の為検査受けたほうがいい。そして最近お水を飲む量が増えた気がすると思ったら、一度しっかり計測してみることをお勧めする。

 ※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしております。

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