43、手紙 ~大好きなマリモへ~ (まりも物語 最終)
マリモはとうとう虹の橋に行ってしまったね。ママとパパはマリモに会いたくて仕方ないよ。朝起きたとき、外出から帰った時、日常の端々でマリモの居ない現実を強く感じると今でも涙がこぼれる。マリモが死んでしまってから、ママが泣かなかった日は1日だってない。あの可愛かった顔を思い出さない日も1日だって無い。
49日が過ぎて、マリモは天国に行ってしまっているかな?よく言われるように虹の橋の袂でママ達を待っているのかな?どこに居るとしてもマリモが苦しさから解放されて、お友達と楽しく遊んでいるのなら、ママは嬉しいよ。
マリモの我が家での生活は、多くの部分を通院に費やしてしまい、そうこうしているうちにあっという間に終わってしまったね。ママはもっともっと一緒にいたかったよ。マリモが家に来た当初、体つきもしっかりしていて元気いっぱいだったから、きっとこの子は15歳ぐらいまで生きるだろうと勝手に思っていた。
それまでに色々な所に一緒に旅行しようと、ママは犬連れで行かれる場所や泊まれるホテルを探しては、マリモとパパと旅行することを空想して楽しみにしていたよ。
ママと暮らした間、マリモはたくさん病院に通院することになってしまったけれど、マリモは本当に良く頑張ったね。思えばママはいつも狼狽えて泣いてばかりだった。頼りないママだったと思う。
飼い主が落ち着かないと犬が不安になると何度も獣医さんに注意されたのに、ママは最後まで泣いてばかりで、マリモが涙を舐めてもらっている始末だった。頼りない飼い主でごめんね。
生まれ変わってもママも所に来てね
今回はあっという間に虹の橋に行ってしまったマリモだけれど、出来るならもう一度生まれ変わってママの所に来てほしいよ。そうしたら、今回は出来なかった旅行やらなにやら、たくさん楽しもう。そしてたくさん思い出を作ろう。
でもたとえママの元に帰ってこなかったとしても、生まれ変わったマリモが誰か優しい、そしてママよりもっとしっかりと頼りになる飼い主さんの元で今度こそ健康に幸せに暮らしてくれるなら、ママはそれでもかまわない。マリモが幸せであればママはそれだけで幸せだよ。今度こそは健康に生まれておいで。
でも、もし神様がまたマリモに意地悪なことをして、また大変な病気を背負わせるようなことがあったら、その時は迷わずママの元に帰っておいで。マリモを可愛がることは、動物好きな人であれば誰でもできるだろう。だってマリモは凄く可愛いから。誰よりも可愛いから。
でもマリモの看病は、なかなか大変なことも多かった。だから、もしかしたら途中で投げ出したくなる人もいるかもしれないし、これだけはママは他人には安心して任せられない。特に腎不全については、ママはママなりに経験も積んだしね。
だから万一の時には必ずママを探し出して迷わず戻ってきてね。そうしたら今度こそママはもっとしっかりマリモの病と向かい合い、もっともっと上手に看病するよ。たとえ他の病気でも、どんなに大変な病気であっても、ママはマリモがいてくれたらそれだけで十分幸せだから。
大丈夫、頼りないママだけど絶対に最期までやり抜くから、安心して戻っておいで。
もちろんママはこの次はマリモはきっと健康な子に生まれ変わって幸せになると信じている。でもでも、万が一の時は必ずママを見つけて帰っておいで。そしてまた二人で何度も通ったあの病院の階段を上がろう。
どうか次は健康な体に生まれて幸せな一生を送ってほしい。絶対に絶対に幸せになってほしい。どうか元気な体に生まれ変わりますように。ママはいつだって祈っているからね。ずっとずーっと祈っているからね。
大好きなマリモへ
ママより
※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしてあります。