まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

遠距離介護Diary:札幌訪問2日目②

北海道大学。いつかピリカを連れて行きたい場所です。

札幌訪問2日目②

今日は前回の記事の続きです。

北菓楼カフェで雨宿り

包括センター職員さんとの打ち合わせが終わって、札幌駅付近まで戻ってきた時、ふいに雨が強くなり、傘の骨が折れそうなほど風が吹き始めました。まだ義父宅まではかなり距離がありますし、ちょうど北菓楼カフェの近くだったので、私は北菓楼カフェで雨宿りをすることにしました。

北菓楼カフェのケーキセット。

北菓楼カフェのケーキセットは好きなケーキ1つとシフォンケーキ、ソフトクリーム、飲み物がセットになっています。飲み物だけにするか迷いましたが、お昼はヘルシーだったしよく歩いたから少し食べ過ぎても大丈夫かなと、思い切ってケーキセットを頼みました。ここはピリカを連れてくることはできませんが、天井が高く広い店内はのんびりくつろぐことが出来るので、私は度々利用してきました。

包括センターの職員さんとは義父の了承を待たずに手続きを進めるとこにしたものの、それが義父に知れた時、義父はとても嫌な気分になるのではないか。本人の意思を無視して手続きを進めることは、義父の誇りを傷つけることにはなるまいか・・・、色々な思いが頭を巡り、考えると心が沈みますが、義父の安全を守るためには嫌われても拒絶されても申請だけは先に進めるしかありません。

以前、実母が背骨を圧迫骨折して介護保険の申請をした際には、全治2カ月なのに認定に2か月かかり、全く無駄にはなりませんでしたが一番大変な時に全くサポートが受けられませんでした。実母はまだ私も兄も通える距離にいたから何とかなりましたが、義父の場合はそうはいきません。いざ必要な時に迅速な手配を行うには申請を行って認定を受けておくことは不可欠です。

義父の望みは今の家で一人で暮らしていくこと、私達の願いは行政のサポートを適宜受けながら義父が望む今の生活を安全に維持していくこと。二つはそう遠い物ではありません。諦めずに対話を続ければいつか必ず双方が納得できる状態にたどり着けるはずです。少なくとも私はそう思っています。

そんなことを考えているうちに雨脚が弱まってきたので、私は再び義父の家に向かいました。そして昨日購入しておいた食材で義父の夕飯の支度をしつつ、明日は作り置きの惣菜を作りに来ると言うと、少し沈黙した後に義父が重い口を開きました。

小さな楽しみ

「Marimoちゃんが心配してくれるのはありがたいと思っている。でも、俺には俺なりの生活があるし、必要な時は連絡するからもう放っておいて欲しいんだ。食事はスーパーやコンビニに買いに行っているけれど、毎日何を食べようかと考えながら買いに行くのは結構楽しみでもあるんだよ。だから明日はもう来なくていい。せっかく札幌まで来たんだから、好きな場所に行って楽しんでおいで。」

私は義父の言葉を聞いて、買い物に出る回数は少ないほうが安全で良いと思い込んでいた自分の考えを改めることにしました。外に出れば躓いたり転んだりする危険はあるかもしれません。でも何を食べるか考えて買いに行くことが義父にとって日々の小さな楽しみになっているのであれば、その楽しみを奪うようなことはするべきではないでしょう。

私は義父の意見に従うことにして、今日の夕食の支度を最後に、今回はもう義父宅へは立ち寄らないことにしました。この日の夕食は元から一緒に食べる予定ではなく、私は学生時代の友人と久しぶりに夕飯を食べることになっており、義父もそのことは知っています。帰り際に義父は、「ありがとう。今夜はお友達と美味しいもの食べて、明日はゆっくり楽しんで帰るといい。」と言って見送ってくれました。

友人とご飯

義父宅を出た私は一度ホテルに戻ってから、札幌在住の友人との待ち合わせ場所に行きました。彼女はオーストラリアで学生をしていた頃に知り合い、私が札幌に来た時には夫も一緒に食事をしたりしています。前回の札幌訪問では会わなかったので、彼女に会うのも約3年ぶりです。

左:ヒラメのカルパッチョ。右:北海道産モッァレラチーズのカプレーゼ。

友人とご飯。たくさん話せて楽しかったです。

彼女は大通りの近くにあるイタリアンレストランを予約しておいてくれました。そして約3年ぶりの再会を喜びつつ、美味しくご飯を頂きました。義父の為に今後は通うことが多くなりそうな札幌ですが、こうして友人がいてくれることで楽しみが増え、気分転換にもなります。平日にもかかわらず食事に付き合ってくれる彼女には、感謝しています。

 

次回は3日目、民生委員さんとの面談のお話です。

 

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村