まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:18、マリモ記念日

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最初で最後のまりも記念日写真

18、マリモ記念日

 2019年8月17日は、マリモが我が家の子になって丸一年の「マリモ記念日」だった。

ちょうど土曜日だったので、夫と私はまた奮発して自分たちにはデパ地下で美味しい惣菜を、マリモには市販の犬用カステラと、犬用ケーキを用意した。本来ならばマリモを連れてどこかに出かけ、一緒にテラス席のあるレストランでお祝いしたい気分だったけれど、いかんせん猛暑の夏はかなり遅い時間帯まで気温が下がらず、早朝と夜遅めの時間以外に、ただでさえ脱水を起こしやすいマリモを連れての外出はできなかった。

その日、私はマリモの誕生日の時と同じように早起きして「マリモちん、今日でうちの子になって一年だよ。早いね~。」と話しかけた。そして6時過ぎにはお散歩に出かけて、マリモの気の向くままに1時間程度のお散歩を楽しんだ。

家に帰ってからマリモに食事をさせ終わると夫が起きてきた。夫は私の膝に座っているマリモを抱き上げて「マリモちん、今日で一年だね~。」と嬉しそうに話しかけた。私は一年前にマリモを箱根ヶ崎駅に迎えに行き、我が家に連れてきた時のことを、あの頃の黒毛のおチビさんだった頃のマリモを思い出していた。

いろいろと悩み多き一年だったけれども、とにもかくにもマリモは今も元気に毎日を過ごしている。通院を始めてから7か月が過ぎて、私は仕事と通院の日々に、マリモはお留守番とトレーニング教室と通院の日々に慣れてきて、すっかり生活のリズムもできてきた。

また、マリモの通院が始まった当初は、急に毎月の出費が増えてしまった為、なかなか家計の管理ができず赤字になってしまうことも多かったけれど、医療費とトレーニング代(医療費:約7万円、トレーニング教室代:約1万3千円)は私の収入でほぼ賄えるようになったことで、家計もすっかり落ち着きを取り戻し、色々な意味で生活は何とか安定し始めていた。f:id:Marimotan:20200725160434j:plain

夫がいる日はいつも横でお腹を出して寝ていた。

まりも記念日食卓

夕方、まだ暑いとはいえ少し日差しが和らいだころに夫と二人で買い物に出た。電車で1駅離れたデパ地下に行き、夕食用の惣菜をあれこれ買い込む。人間用の食事が買い終わったら犬用の食事の番だ。当初の予定通りに犬用紅芋ケーキと、おやつ用の犬用カステラを手に取ってレジに向かおうとすると夫はまだ何か見ている。

見ていると色々食べさせてあげたくなり、結局追加でミルク風味の犬ガムや、ボーロ、チーズなど、結構いろいろと買い込んで、喜ぶマリモの姿を想像しつつ帰宅の途についた。

家に帰って一休みすると、マリモに夕飯を食べさせてクレメジンを飲ませた。少し間を置いてケーキを食べさせようと冷蔵庫を開けると、マリモは何かを察知したのか私の足元までやってきて尻尾をちぎれるほどに振り始めた。

私は「まりちゃん、今日は記念日だからね~。美味しいケーキ食べようね~。」と話しかけながらケーキを取り出して切り分けた。マリモは超小型犬なので、いつも1つのケーキを4等分して4回に分けて食べさせている。でもこの日は記念日だし、いつももっと食べたがるので3等分にして1/3をあげることにした。

ケーキをペロリ

私がケーキを切る間、マリモは私の足元で立ち上がって「ママ~、早く早く!」と言わんばかりに前脚で私を押していた。夫はそんなマリモを抱きかかえ「ママが直ぐにくれるから、いい子で持ってようね。」と言い聞かせてマリモを膝に乗せた。私が切り分けたケーキをお皿にのせて行くと、マリモは夫の膝から勢いよく飛び降り、ケーキを一気に食べた。

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メニエール病になって以来、時々目眩で倒れる私に添い寝してくれたマリモ

最初で最後だったまりも記念日

今思い返してみると、この最初で最後のマリモ記念日のあたりがマリモが一番元気で体調も安定していた時なのではないかと思う。写真を見てもマリモが良いお顔で写っているのはこの6月~8月が多い。

暑いので早朝と日没後にしか外には出られなかったけれど、早朝にはたくさんお散歩をして、私が家にいる日は家の中でたくさん遊び、疲れると一緒にソファーに横になりウトウトした。

血液検査の結果は決して良好なものでは無かったけれど、マリモは医師も首を傾げるほどに元気いっぱいの日々を過ごしていた。通常、赤血球を作るホルモンは腎臓から分泌されるため、腎不全が進むと貧血も進んでくる。しかしマリモの場合、腎不全はかなり深刻なステージまで進んでいるのに赤血球は何とか作られており、貧血はごくごく緩やかに進んでいった。

トレーナーさんの話では、人間を含め動物の臓器は何か障害が発生すると、他の臓器が補おうとする機能があり、それは発生が幼ければ幼いほど他の臓器が頑張って肩代わりをするようになるのだという。彼女はマリモの場合は先天性だからこそ、生まれたときから周りの臓器が腎臓の働きを補うようになったのではと言っていた。

私は、マリモはきっとこのまま数年は生きられるのではないか、平均的な寿命までは無理だとしても、このまま通院を続けていって腎機能を助けてあげられたら、きっと大丈夫なのではないかと思った。そしてこの頃兄夫婦が3匹の犬を連れて、車とフェリーで北海道まで旅行したのを見て、私もマリモを連れてどこかへ旅行したいと思うようになった。

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしてあります。

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