まりも日和

先天性腎臓形成不全による重度の腎不全のため、2歳と18日で虹の橋へ旅立った愛犬「まりも」について綴った「まりも物語」(腎不全と闘った642日間の記録)と、2020年8月に我が家にやってきたおてんば娘「ぴりか」の成長記録「ぴりか日記」、ハンドメイドについて書いた「Atelier Marimo」、その他夫婦二人生活の日々の出来事や思うことを綴ったブログです。

まりも物語:19、最後のお泊りトレーニング

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2019年9月、1歳4ヶ月のマリモ

19、最後のお泊りトレーニン

9月に入り、毎年恒例の札幌への帰省をすることになった。私は新幹線を使って函館経由でならマリモを連れて行かれるのではと思ったけれど、我が家から東京駅までが約1時間、東京駅から新函館北斗までが4時間以上、函館から札幌までが3時間以上と行程はかなり長い。

マリモを飛行機に乗せるのは貨物室での輸送となるためそのストレスを考えれば不可能で、夫の仕事のスケジュールからすれば帰省は3泊4日が限度だろう。仮に函館で行き帰りに1泊ずつすると札幌には1泊しかできなくなってしまう。

札幌で一人暮らしの犬好きな義父にマリモを見せたかったけれど、やはり北海道まで連れて行くのは難しそうだった。私だけマリモと先に出発して函館経由で向かい、帰りも函館経由で帰る案も考えたが、それだとマリモの皮下補液の期間が空きすぎてしまうし、札幌の獣医で受けるとしても、知らない場所での通院は、マリモに大きなストレスになってしまうだろう。残念だけれどマリモにはトレーナーさんの元でお留守番してもらうしか無かった。

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レーニング教室では、いつも楽しそうな表情だった。

 3泊4日のお泊りトレーニングへ

出発の当日の朝、診療時間よりも1時間早く病院を開けてもらい皮下補液を受け、お迎えに来たトレーナーさんにマリモを預けた後、私達は直ぐに羽田空港から札幌へと向かった。マリモは楽しく遊んでいるだろうか。4日間の天気は雨の予報が出ている日もあるけれど、概ね晴れるはずだった。

札幌に着いて2日目の朝、トレーナーさんのホームページを見ると他の犬たちと楽しそうに走り回るマリモの元気いっぱいの姿が写っていた。体調にも特に問題はなさそうだし、トレーナーさんからの連絡では、朝はあまり食べないものの夕方はトッピングすればちゃんとご飯を食べているそうだった。

そしておやつは勿論しっかり食べる。私はトレーナーさんにマリモを預ける際には、療法食とトッピング、クレメジンを飲ませるときに使うヨーグルト、おやつ用の茹でサツマイモやカボチャの角切りを必ず持たせていた。

3日目も同様に、ホームページにはマリモの楽しそうな姿があった。そしてお昼過ぎにはトレーナーさんから動画が届いた。マリモは仲良しの小型犬と一緒に芝生の上でじゃれ合いながら楽しく遊んでいる。こうして他の犬と遊んでいるときのマリモは本当に楽しそうで、いつも笑っているような表情をしていた。家でも可愛い表情をたくさん見せてくれるけれど、ここまで楽しそうな顔を見せるのは、このトレーニング教室の時だけだった。

正直なところ、医療費が嵩む中でマリモをトレーニングに通わせるのは経済的には苦しい時が殆どだった。けれど短かった生涯の中で、マリモがお友達とたくさん遊んで心から楽しい時間を過ごせたのであれば、多少無理をしてでも通わせた意味はあったし、今思い返すとかなり無理をしてでも元気な時にもっと通わせてあげればよかったと思う。

4日目の午後、私達は札幌から東京に向かい、家に着いたのは19時ごろだった。マリモは19:30頃にトレーナーさんに送られて帰ってきた。玄関でマリモを迎えると、マリモは大興奮でバタバタと暴れ、私の腕に飛び込んできた。そして、ひとしきり私の顔を舐めた後、奥から出てきた夫に飛びついて抱っこされると、同じように顔をペロペロと舐めた。

レーニング教室の楽しそうな写真

その後、お泊りトレーニング中のマリモの写真をトレーナーさんから貰ったが、どれも本当に楽しそうでマリモは久しぶりのお友達とのお泊り会を存分に楽しんだようだった。私は、旅行に一緒に行くのもいいけれどもしかしたらマリモは慣れない長距離移動をさせられるより、お泊りトレーニングで待っているほうがいいのかもしれないと思い始めていた。

しかし、結果としてこのお泊りトレーニングが、まりもにとって最後のトレーニング教室となった。 

※まりもの名前は本来ひらがな表記ですが、文中では読みやすいようにカタカナにしてあります。

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